フジテレビ労組の存在感

フジテレビ労働組合が、ライブドアの経営参入に反対し、この問題について会社を支持する見解をまとめたそうです。

 ライブドアニッポン放送株を大量購入し、ニッポン放送フジテレビジョンに業務提携を要請したことについて、フジテレビ労働組合(工藤晃義執行委員長)が、ライブドアと全面対決するフジテレビ経営陣に賛同する執行部見解をまとめたことが21日、明らかになった。
 執行部は「フジテレビ全従業員の『心』を無視して強引に経営参入しようとしている者には断固『NO!』を出したい」としており、労使が足並みをそろえた形だ。
 同労組の執行部見解は17日付の組合ニュースで表明された。それによると、ニッポン放送株式の公開買い付け(TOB)の下限引き下げなどフジテレビが対抗策を打ち出していることについて、「従業員の労働条件と職場環境を守る立場から会社側の姿勢に賛同し、ライブドアの経営参入には反対する」と表明した。
 ライブドアの手法についても、「事前説明なく、突然株を大量購入し、『筆頭株主になったから業務提携をしろ、無視するのはおかしい』と一方的だ。礼儀を欠いているのは明らか」と批判している。
 
(平成17年2月22日付読売新聞朝刊)

 
これが組合員の総意なのかどうかはともかく、さすがに大勢ではあるのでしょう。かりに、ライブドアニッポン放送を通じてフジテレビの経営に参入を果たしたにしても、従業員の意欲や士気まで「資本の論理」で押し切ることはかなり難しそうな感じです。もちろん、これまであまり恵まれてこなかった従業員の中には、経営陣の変動をチャンスととらえる人もいるでしょうが、それは一方で社内の分裂につながりかねません。人心を安定させて意欲を回復させるには相当の対話(と譲歩)が必要になるでしょうが、ライブドアがそこまで辛抱できるのかどうか。
それにしても、こういった「外敵侵入」による「危機」に対しては、まだまだ組合員も参加意識があるでしょうし、労働組合も結束力を発揮できるのでしょう。経営陣としてもなかなか心強い援軍のはずで、賃上げ交渉よりはるかに存在感のある活躍ができるかもしれません。