(株)日本法令様から、『ビジネスガイド』5月号(通巻933号)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。
今号の特集は例年に従って「令和4年度重要労働裁判例」で、山形大学事件の最高裁判決をはじめ、下級審では兼業による長時間労働に対する各社の安全配慮義務を扱った大器キャリアキャスティングほか事件、シフト制労働者がシフトを入れない場合の解雇の有効性をめぐるリバーサイド事件、業務委託契約者へのセクハラ・パワハラに対する法的責任を(行為者のみならず)会社にも認めたアムール事件、転勤拒否者に対する勤務地限定社員との賃金差額の返還を認めたビジネスパートナー事件と、今日的な裁判例が紹介されています。セクハラの事件がアムール事件というのは趣味の悪いダジャレみたいですね。八代尚宏先生の連載「経済学で考える人事労務・社会保険」は今回は「在職老齢年金は保険か福祉か」と題して、この複雑な制度を背景から解き明かし、その課題と方向性を指摘しておられます。大内伸哉先生のロングラン連載「キーワードからみた労働法」は近年拡大している「デジタル労働プラットフォーム」を取り上げ、その法規制の現状と課題、EUの動向などを紹介しておられます。その他、「新型コロナの5類引下げに係る企業への影響」という記事もあり、タイムリーなものではありますが何かと感慨深いものがあります。