リクルートワークス研究所様から、同所の研究紀要『Works Review vol.11』をお送りいただきました。毎年ありがとうございます。
http://www.works-i.com/research/works-review/r011.html
ワークス研究所の研究員による論文集で、毎年楽しみに勉強させていただいています。今回もまだナナメにパラパラ見ただけですが面白そうで、就職や転職まわりの話題が多いのは当然としても、大学新入生の学力不足問題をとらえた豊田論文、高校のランクによる大学生活への適応を調べた辰巳論文など、ワークス研究所ならではという感があります。中村論文で理論的に考察された円環状の採用業務モデル(ホイールモデル)を続く田中論文が日産自動車の事例に応用しているのもなるほどという感じです。冒頭の萩原・太田論文は、大学卒業後の就職までの過程の違い(ダイレクト、無業期間あり、留年、院進)によるその後の就職・収入の相違を検証したもので、結果も実感にあうものですが、就職氷河期から相当の期間を経ることで、従来は少数だった「大卒後無業期間あり」のサンプルが増えてこうした検証ができるようになったのだなあというちょっと斜めな感想ももちました。ちなみに以前ご紹介した「Works Index」(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20160524#p1)に関する論文も所収です。