守島基博・大内伸哉『人事と法の対話』

守島基博・大内伸哉両先生から、ご共著『人事と法の対話−新たな融合を目指して』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

人事と法の対話 -- 新たな融合を目指して

人事と法の対話 -- 新たな融合を目指して

書名のとおり、人事管理論と労働法学の第一人者による対話で構成された本ですが、随所に企業の実務家をまじえた鼎談が織り込まれ、さらにその鼎談が著者二人の対談でフォローされるという入念な作りになっています。
テーマ設定も適切で、人事管理の実情と課題に対して労働法や労働政策がどうなっているのか、その論点がわかりやすく提示されていて、私は非常に面白く読みました。ただ、これは労働法学者が大内先生だからうまくいったのではないかと思います(もっとも大内先生は他のご著書に較べると先生ご自身の所論より労働法一般に近い立場をとっておられる場面も多いのですが)。もちろん人によりけりであって一般化すべきものではありませんし多分に私の偏見でもありますが、しかし日本労働法学会に出てこられる先生方の中でこの本がうまく成り立ちそうな人というのは、どうでしょうかね、何人いらっしゃるでしょう。企業がこんなんだから規制強化が必要なんだという話になってしまう先生も多かろうと。