TPP推進派がイマイチな件

先月末にJAがワシントンポストにTPP反対の全面広告を出したという話を聞いて、なんか韓国人が領土問題でやることとそっくりだなあと思ったことでした(いやもちろん善し悪しではなくその必死さというかなんというか)。ちなみにこれのことです。探すのに苦労した。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2009/08/06/0200000000AJP20090806001300882.HTML
ちなみにJAの広告のほうは例の「TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク」のウェブサイトに掲載されていました。
http://www.think-tpp.jp/shr/pdf/news12042402.pdf
うんまあこれはこれでウソではないよねえ。しかし相当のカネがかかっているのだろうと推測するのですが国庫から巨額の補助金助成金が投入されている業界がこういうカネの使い方をするというのも個人的には納得いかないものがあります(いけないとか悪いとかいうつもりはありません)。ちなみにこのサイトは最近活発に更新されているようですが以前指摘した雇用関連の記載はまだデタラメなままで、こういうのを放置すると全体の値打ちを落とすと思うんだけどなあ。自分たちの得意分野に特化したほうが目的からしても合理的ではないかと思うのですが、まあ余計なお世話ですね。
ちなみにTPP賛成派のサイトというのもありまして、
http://tpp-kokumin.jp/meeting/index.html
こちらは「TPP交渉への早期参加を求める国民会議」となっていて、代表世話人には伊藤元重先生、白石隆先生、本間正義先生と大御所が並んでいますが、賛同人には多数の有力研究者とともに経団連日商・同友会および関経連のトップの名前がありますので、まあ財界の推進組織と思っていいのでしょう。ただこちらが周到だなと思ったのは賛同人に組合(金属労協)や医療関係者・農業関係者も名前を連ねているところで、結局のところ個別の賛否は個別の有利不利で決まるのだなあと思いました。ちなみにこちらの中身はさすがに大物研究者が名前を出しているだけあってざっと見たところ彼らが恥をかくようなものではなさそうです。もちろん推進派が並んでいるので反対の人には反論もあるでしょうし、ワリを喰う人への補償はどうなるんだという一部の人にとっては切実な最重要課題については具体的な言及はない(まあ政治が決めることなので学者にはできないに決まってますが)点は難点ではあるでしょう。
いずれにしても両論を参照しながら考えるという意味ではともに有意義と申せましょう。私個人としては理屈としては圧倒的に推進派が押している(だからJAも必死なわけで)と思いますが、情というか広報情宣面では反対派が圧倒しているようにも見えるわけで、推進派がんばれよという感じです。