監督官が主役のマンガ

hamachan先生も取り上げておられますが、「週刊ビッグコミック」で「どらコーボク」という労働基準監督官が主人公の連載がはじまったようです。コーボクは公僕でしょうが、どらはなんでしょうかね。どらえもんのどら(どら猫のどら)かな。
http://big-3.jp/bigcomic/
惹句をみると「サラリーマンを食いものにする経営者の罪------根こそぎ暴いてみせましょう」となかなかの威勢ですし、次号予告では「会社の違法行為を暴き、労働者を守る!荒療治も辞さないハミ出し公務員・佐倉太一郎が建設事故現場で大暴れ!?」という気合の入りぶりです。
さて私はかねてから現場の労働基準監督行政には批判的なわけですが、その最大の原因は労働基準監督官が質・量ともに不十分なことであるとも思っています。事前規制から事後規制への移行を進める上でも監督機能の強化は必要であり、こうしたマンガを通じて、労働基準監督官の業務の重要性が周知され、その社会的地位が向上することで、有為な人材が多く集まることになれば、それは大変に結構な話だと思いますので、今後の展開に期待したいところです。できれば「大企業の巨悪を暴く」的な展開ではなく、インターンを安上がりなバイトだと思ってるITベンチャーの経営者をぎゃふんと言わせたり(いつの時代の言葉だ)、賃金を払おうとしない企業に出向いて用心棒と渡り合ったりとかいう展開を期待したいところなのですが、hamachan先生のブログによると「IT王子ことソフトボイルドの社長なんてのが出てきたり」するらしいので、なんかあまり期待できないかなあなどと思うことしきり。まあ読者が知っているような企業でないと面白い話にならないということはあるでしょうが、なんか監督官が大企業相手の仕事と思われてもなあという気はします。「取材協力/東京労働局」とのことなので、それほど現実をかけ離れた話にもならないだろうとも思いますが。というか東京労働局として監督官というのはこういう存在だ、と世間に考えてほしいということが反映されるわけで、となるとやはり用心棒と渡り合うところまで期待されても困りますということになるかなあ。
さすがに雑誌を買ってまで読む気にはならないので、1年もすればコミックスがブックオフに並び始めるでしょうからその頃に(「エンゼルバンク」はそれで2巻まで読んだ)。