八百長発覚

今日は日常雑感ですみません。いや現段階ではまだ疑惑と書くべきなのかもしれませんが。

 大相撲の力士の携帯電話に、八百長行為に関与していたとみられるメール記録が残されていた問題で、メールをやりとりし、警視庁に携帯電話を押収されたのは元幕内春日錦竹縄親方十両千代白鵬関(九重部屋)だったことが2日、関係者への取材で分かった。
 2人とメールのやりとりをしていたのは、十両清瀬海関(北の湖部屋)と三段目の恵那司力士(入間川部屋)だったことも判明。このほかメール内で名前が出ていた力士ら9人も明らかになった。
 関係者によると、9人は元小結海鵬の谷川親方と幕内の翔天狼関(藤島部屋)、豊桜関(陸奥部屋)、光龍関(花籠部屋)、霜鳳関(時津風部屋)。十両旭南海関(大島部屋)、若天狼関(間垣部屋)。幕下の白乃波力士(尾上部屋山本山力士(尾上部屋)。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110202/crm11020217340019-n1.htm

まあ、前々から「公然の秘密」的な話だったわけではあり、実際、今朝の毎日の1面コラム「余録」でも紹介されていますが、スティーヴン・レヴィットの『ヤバい経済学』で日本の大相撲が分析されていて、千秋楽を7勝7敗で迎えた力士の勝率は8割強で、異なるシチュエーションでの結果とは明らかに異なっているという結果が出ています。先日終わった初場所の千秋楽では、7勝7敗の幕内力士は6人いて全員勝っているようですね。
そこでこのブログ的な関心事項としては、私は各界のことはほとんど知らないに等しいので完全に推測での議論になるのですが、出てきた名前をみると上は「元小結」、下は幕下ということのようで、私の知っているような有名力士の名はありません(まあ私は横綱大関大関候補と高見盛?くらいしか知らないのですが)。なにを推測しているかというと、たぶん横綱大関を目指すのは難しい、たぶんこの先このあたりを行ったり来たりだろう…という感じの力士がこういう誤りを犯しやすいのではないだろうか、と思っているわけです。もう上をめざすほどの力も若さもないし、できれば少しでも長くそこそこのポジションで現役を…と考える力士がある程度まとまれば、では状況に応じて勝ち負けを融通しましょうか…という話は、とりわけ相撲のような一対一の競技においては、ある程度の蓋然性をもって発生するのかもしれません。逆にいえば、若くて三役を目指しているようなホープがこうしたことに手を染めるとは思えませんし、幕下、三段目以下のような段階ではたぶん白星に数十万円といった値打ちはなさそうです。ということで元小結から幕下…というのは「ああそうかなあ」と勝手に思っているわけです。いや個別に考えればいろいろな状況があるのかもしれませんが、なにしろ私は相撲のことをほとんど知りませんので。
この推測がそれほど外れていないのであれば、これは案外さまざまな組織と共通した課題であるともいえます。将来の展望が持ちにくくなると、どうしても意欲が低下しがちになり、悪事は働かないまでも生産性が落ちたりといったことはどの組織でも懸念されるわけです。そこをどうモチベーションしていくかというのは、おそらく多くの組織、多くのマネージャーが頭を悩ませているに違いありません。いっぽうでそういうことが起こらないようなチェックも必要で、たとえば企業組織が一定期間で人事異動や担当変更を行っているのは、それにより経験を広げて能力を伸ばすことに加えて、不正を防いだり、違う人の目で仕事をみることで新しい生産性向上の発想が生まれたりすることも意図しているのではないかと思うわけです。しかし相撲の世界ではなかなか難しいのかもしれません。相撲の内容をみて、八百長が疑われるかどうか…は専門家ならわかるのでしょうか?やる方もプロ(しかも上位の)なので、一筋縄ではいかないように思いますが…。
それにしても、2人の2台の携帯電話を調べただけで13人(ですよね?)具体名が出てくるわけですから、どれほど拡がっているやら…という感もこれあり。あらかたの力士は一度や二度はやってましたなんて話になったら目もあてられませんね。
もう一つ関心があるのは、当然これはスポーツの世界では言語道断であり、厳しい処分が行われることでしょうが、しかしそれは相撲協会の規則によって行われるものに止まるのだろうか、さらに厳しい責任追及ができるのだろうか…という点です。いやこれが賭博とかに関わっていた…となれば当然刑法犯ということになるでしょうが、そうでないのであれば、相撲協会には迷惑をかけたから厳しい処分も当然だけれど、それ以上の制裁を受けるほど悪いことはしてません、と開き直られたらそれ以上の追及はなかなか難しいようにも思えるわけです。まあ、社会的な制裁は当然受けるわけではありますが。このあたり、どうなのでしょうね?
なお余談ですが、とりあえず7勝7敗に関しては、千秋楽は7勝7敗の力士同士が対戦するというルールにすればいいかもしれません。14日目までに対戦していたとしてもお構いなし、せっかくですから組み合わせは公開抽籤にして、結びの一番とかこれより三役(でしたっけ?)の前とかの盛り上がるところでやってみてはどうでしょう「これがホントのガチンコ勝負!」いやそんなことしたらもっと大きいカネが動くだけだったりしたらシャレにならない…いや冗談ですよ、冗談。