もうひとつ面白かったのが、「15歳のときに一人でできると思うこと」の国際比較調査で、出所は「家庭教育に関する国際比較調査報告書」独立行政法人国立女性教育会館(2005)、調査対象は日本、韓国、タイ、アメリカ、フランス、スウェーデンの0〜12歳までの子どもと同居している親またはそれに相当する人で、サンプルサイズは各国とも約1,000人…という調査です。
それによれば、15歳のときに一人で「働いて報酬を得る」ことができると考えられている割合はこうです。
男の子 | 女の子 | |
日本 | 15.4% | 14.4% |
韓国 | 7.7% | 6.4% |
アメリカ | 80.7% | 82.0% |
フランス | 35.4% | 33.0% |
タイ | 46.5% | 39.4% |
スウェーデン | 49.0% | 49.7% |
残念ながらベネッセのサイトではタイとスウェーデンの結果は紹介されていませんでしたので、元ネタ(http://www.nwec.jp/jp/data/report_page16_2-3.pdf)にあたって追記しておきました。日本、韓国の低さもさることながら、アメリカの突出した高さも目立ちます。また、アメリカは女の子のほうが男の子より高くなっているのも特徴的で、これは他にはスウェーデンだけ(しかも差は小さい)だけです。これは価値観もさることながら現実の就労・稼得の実態も反映しているのでしょう。実際、ちょっと古いですが別の調査「中学生・高校生の日常生活に関する調査報告書−日本・米国・中国の3カ国の比較」(2000)財団法人日本青少年研究所によれば、アメリカでは夏休みなどの長期の休みには中学生でも5割近く、高校生は過半がアルバイトをしており、放課後や週休日にも中学生の1〜2割、高校生の3〜4割がアルバイトをしています(日本の中学生はいずれもほぼゼロ)。アメリカでは学生にアルバイトを奨励しているハイスクールも多いとききますが、これは学費の稼得という意味も大きいのでしょう。ローティーンの女の子が時給数ドルでベビーシッターのアルバイトをしている、という話も(現実にどれほど多数なのかはわかりませんが、話としては)よく目にしますし、そうした廉価な育児サービスが提供されることがアメリカ家庭で共働きを容易にしているというのも実態ではないかと思われます。いずれにしても、米国ではこうしたティーンが自ら就労したり、それを利用したりするのを目にする機会が日常的にあることが、こうした結果に反映しているのでしょうか。