裁判員休暇、道半ば

今朝の日経新聞朝刊から。最高裁もかなり頑張ってはいると思うのですが…。

 来年から始まる裁判員制度に向け、連合は有給の「裁判員休暇」に関する労働協約の締結を二〇〇八年春闘の方針に加えたものの、協約締結を妥結したのは傘下の単位組合約一万二千のうち、約六%に当たる七百四十一組合だけだったことが連合の集計で十八日までに分かった。
 企業側に協約締結を要求した組合も一〇%未満にとどまり、連合は最高裁などに対し、裁判員休暇の創設を各企業に周知するよう要請している。
 労働基準法は労働者が公務のために必要な時間を請求した場合、企業側は拒めないと規定。裁判員法も労働者が裁判員を務めるために休んだ場合などの不利益な扱いを禁じているが、休暇を有給とするのかどうかは法律に定められていない。
 裁判員を務めた場合の日当は一万円以内、裁判員候補者として地裁に出向いた場合の日当は八千円以内とされる。一日当たりの賃金が各日当より高い人が無給で仕事を休めば収入減となる。
 このため連合は初めて春闘方針に「裁判員候補者として呼び出しを受けた場合、裁判員として地裁に出席する場合は、全従業員を対象に有給扱い(特別休暇)とする労働協約の締結を進める」との項目を盛り込んだ。しかし、七月二日現在の集計で企業側に協約締結を要求したのは千七十一組合だった。
(平成20年8月19日付日本経済新聞朝刊から)

世間の実態からすれば、年次有給休暇を取得するというのが最も現実的かつメリットの大きい対応のような気はします。建前からすればおかしいのかもしれませんが…。
ただ、現に企業では就労せず、しかも日当の給付される活動を行うわけですから、なかなか賃金100%保証の休暇を与えるというのも、これまた人事管理という意味では筋が通りにくいのも現実だろうと思います。裁判員制度は司法制度改革の重要な柱で、その円滑な実施には国をあげて一定の協力は必要でしょうから、ここは各労使の知恵の出しどころともいえましょう。