トンデモ

なにやかやと時間を食われてブログも満足に書けませんが、とりあえず春闘報道をざっと見た中からトンデモ記事を2つほど。

 都内の連合本部では高木剛会長が記者会見し、「国民の期待に十分応えたかといえば、残念な面もある」と悔しさをにじませた。連合は、低下傾向が続く労働分配率(企業がもうけを人件費にどれだけ配分したかの割合)の反転を目標に、消費の盛り上げを唱えてきたが、まだ手応えは得られていない。
(平成20年3月13日付東京新聞朝刊から)

一口に労働分配率といってもさまざまな定義がありますが、それにしても「企業がもうけを人件費にどれだけ配分したかの割合」というのは初めて見ました。まあ、気持ちはなんとなくわからないでもないですがね…。

 今春闘では“賃上げ”といいながら、全社員の基本給を一律に底上げするベースアップ(ベア)に代わって、賃上げ原資を育児支援など特定分野に回す動きが電機業界を中心に広がった。経営側は人件費の伸びを抑えられるが、賃上げの恩恵が全社員に行き渡らない恐れがある。
(平成20年3月13日付毎日新聞朝刊から)

えーと、これは一定額の原資をどのように配分するのか、全員に一律に広く薄く配分するか、特定の人に政策的に狭く厚く配分するかという方法論の問題なのですから、別に原資の総額が増減するわけじゃありません。だから、狭く厚く配分しても「人件費の伸びを抑えられる」なんてことはないわけですよ。というか、配分の過程でせっかく交渉して勝ち取った原資を「抑えられ」てしまったとしたら、さすがに労組も黙っていないでしょう。