鉄鋼、「継続協議」で賃上げ実施へ

週末の新聞記事から。

 新日本製鉄とJFEスチールは2007年度に賃上げに踏み切る。JFEは07年度からの2年分で一人あたり換算で1500円程度とする。新日鉄は今後金額を詰める。鉄鋼大手の賃上げは六年ぶり。業績回復を背景に、国際競争力の維持・強化には人への投資拡大が必要と判断、技能の高い中高年に手厚い賃金改善を実施する。今春の自動車や電機に続き、鉄鋼が実施することで産業界で賃上げの動きが拡大する。
(平成18年10月29日付日本経済新聞朝刊から)

鉄鋼は隔年春闘なので、今年と来年の2年分で1500円ということでしょう。それに対して、今年の春季労使交渉で各社が出した「今年の1年分」の回答は、自動車はトヨタ、日産が1000円、ホンダが600円、電機は日立、松下、東芝が500円、富士通が1000円でした。まあ、鉄鋼は値上げ効果で業績好調なので、額も高くなったということでしょうが、見ようによっては、来年の春季労使交渉の分を先取りして回答しているとも見えます。これから連合や各産別が要求基準を議論するでしょうが、当然ながら「1500円−今年の回答」を意識せざるを得ないでしょう。隔年春闘というのも、案外迷惑なものなのかもしれません?