経済教室

今朝の日経新聞「経済教室」に、「発明利益、技術者へ還元を、コストでなく「投資」」と題する升永英俊弁護士の論考が掲載されていました。
発明によって実現した利益の一定割合を発明者に還元すべきだとの意見はもっともではあるのですが、現実には実現した利益の中には当然ながら営業部署をはじめさまざまな部署の貢献による部分もあるわけで、はたして発明者の貢献分をどう見積もればよいのか…というのが実務の問題点なわけです。妥当な計算をすれば、升永氏が思っているほど高額な還元にならない可能性は大きいのではないかと思うのですが…。
加えて、自分の好きな研究さえできれば満足、という研究大好き人間にとっても、やはり「やりたい研究」を「やりたいように」やるには、企業内で一定のポジションに立つ必要はあるわけで、多くの技術者はカネよりむしろ昇進昇格(これが「仕事」や「権限」につながる)を望むのではないでしょうか。
そう考えると、升永氏が思うほどには利益配分は技術者の意欲を高めないのではないかという気がするのですが、どんなもんなんでしょうか。