ジェンフリ・バトン職場版

 先週集中的に取り上げた「ジェンフリ・バトン」、それ自体は学校教育の場面を念頭におかれているものですが、意外と?企業などの職場にも通じるものがあります。そこで、企業にも該当しそうなものについて、職場ではどう考えるのか?を書いていきたいと思います。

クラス名簿を男女混合にする。

そもそも個人情報の問題などもあって、職場の名簿を作らない職場も増えているでしょうが、作っていてもさすがに男女別名簿というのは珍しいのではないかと思います。たいていは、まずは「偉い順」、次に「年功順」というのが日本企業の基本パターンかと(笑)。もっとも、その結果として男女別に近いものになっている例は多くあるものと思われ、これは別の意味で問題かもしれません。いずれにしても職場の名簿が男女別で便利ということもいささか考えにくく、セクハラ問題もあり、男女混合が大勢ではないでしょうか。

男女の呼称を「さん」に統一する。

職場によっては、目下であれば女性にも「くん」を使うところも多いようです。私だけの思い込みかもしれませんが、職場で女性を「○○くん」と呼ぶのは、どことなく「OL」「一般職」というイメージがあり、かえってジェンダー的に問題なのではないかという気もしないでもありません。

「男女」の名詞を「女男」に変える。

前にも書きましたが、これは呼称の「さん」とは違って明らかに不自然なので、事情を知らない人が聞いたら意味がわからないかもしれません。学校のように比較的人間関係が限定的で固定されている状況であれば、「あの人はそういうことばを使う人だから」で通じるでしょうが、事情を知らない人が多いビジネス・シーンでは不自然で意味の通じないことばは使わないというのが常識だろうと思います。

スカートは最も「女らしい」服装なので、制服からスカートを廃止しようとした

接遇をともなう業務に従事する職場など、制服がある職場はまだまだたくさんあるようですが、そういえば女性の制服って大半がスカートですねぇ。とはいえ、女性の職域拡大にともなって、鉄道会社の運転手や車掌など、女性のスラックスの制服も増えてきました。ジェンダーという意味では、制服がスカートかどうかというよりは、接遇業務が圧倒的に女性で占められていることのほうをより大きく問題視すべきではないでしょうか。私はたびたび云っているのですが、ホテルのフロント、喫茶店のウェイターが男性でも違和感がないのに、どうして企業(特に大企業)の受付は女性ばかりなのでしょうか?なんか遅れてると思うのですが。

女子の体操着のブルマー廃止と同時に、男子の短パンも廃止し、男女兼用のハーフパンツとする。

これは生産現場や建設現場の作業着と思えばいいのでしょうが、こうした場面で男女別のユニフォームを指定している職場はあるのでしょうか?あるのかもしれませんが、少数ではないかと思いますが…。

ロッカーや下駄箱の男女別の禁止。

これは企業だとロッカールームでしょう。まさか男女別を禁止している企業はないと思いますが。

高校入試の合格者数を、男女同数にするよう要求する。

これは企業では採用数ということになるでしょうが、女性の職域拡大、機会均等、ポジティブ・アクションなどは当然やっていくわけですが、採用を男女同数にするというのは明らかに行き過ぎでしょう。