「人はおよそ、命令では動かない。では・・・」

火曜日の日経新聞からもうひとつ。スカイマーク・エアラインズが国交省から業務改善勧告を受けましたが、その背後には人事管理の問題点もあるようです。

…(引用者注:スカイマーク社社長の)西久保氏は04年の社長就任当時を「上司の命令を実行しない社員も少なくなく、活力を失っていた」と振り返る。
 インターネット接続会社を経営していた西久保氏は、財務再建のため合計約60億円の増資を個人で引き受け、03年3月期末に債務超過を解消。同時に、管理重視の社風改革にカジを切った。羽田にいた整備・運航部門の幹部を東京都内の本社に集約。机の配置も全員が一方向を向く学校形式に変え、私語を禁止するなど徹底した。
(平成18年4月18日日本経済新聞朝刊から)

いやはや。そりゃ、ダメに決まっているでしょうよ。これには現場も反発し、整備士70人のうち17人が退職したそうですが、むべなるかなです。西久保氏は「上司の命令を部下が実行する」職場が「活力がある」とお考えのようで、それ自体は間違っていないにしても、命令を実行せよと命令し、管理だけを強化したところで、飯田経夫先生が言われたように「人はおよそ、命令では動かない」のです。
会社が儲かっていれば、「上司のいうように働けばもっと儲かる」と思いますから部下も従います。スカイマークのように傾いた会社では、「上司のいうことを聞いて働いてきたのに、会社はつぶれそうじゃないか」となりますから、部下だってそうは言うことをききません。そこに他で成功した経営者が乗り込んでくるわけですから、社内にはその手腕への期待もそれなりにあったはずなのに、そこでただ「上司の命令に従え」と管理を強化するといいうのでは…失望されるのも当然だと思うのですが、どんなもんなんでしょうか。