逆OB訪問

今朝の日経新聞に、就職状況の好転をよく表した記事が掲載されていました。

 「一人一回は必ず大学に足を運んでください」。昨年末、神戸製鋼所は若手技術者にこんな「指令」を出した。大学との共同研究が狙いではない。有望な研究者の卵をスカウトするためだ。
 学生が企業に就職した先輩を訪ねるOB訪問は就職活動では一般的だが、神鋼は社員を学生の元に派遣する「逆OB訪問」を展開する。始めたのは三年前。当時は入社三年目までの若手に限ったが、今年から管理職も動員した。若手は学生に会社の魅力を説き、管理職社員は教授や大学の就職課を回る総力戦だ。
(平成18年3月8日付日本経済新聞朝刊から)

なるほど、「逆OB訪問」ですか。しかしこれって、かつては広く行われていたいわゆる「リクルーター」と同じようなものじゃないでしょうか?
「リクルーター」は「事実上の指定校制度」との批判もありましたし、企業としても大学の銘柄にこだわらずに多様な学生を採用したいという思惑もあったことから、昨今ではかなり下火になってきました(私はリクルーター制度は短所だけではなくそれなりの長所もあったと思っていますが)。それが採用競争が激しくなることで復活した、というところではないでしょうか。まあ、さすがにバブル期のような大盤振る舞いまで復活することはないでしょうが、採用難が続けば案外リクルーター制を復活させる企業も出てくるかもしれません。