私がユニクロで買わない理由

不買運動の話を書いていて思い出したのですが、私はユニクロの商品は買いません。家族にも買うなと言っています。ささやかな不買運動です。
その理由は今世紀はじめにさかのぼります・・・

2001年元日の日経新聞に、本田技研工業の吉野浩行社長(当時)とユニクロ社長(当時)柳井正氏の対談記事が載りました。そのとき掲載された柳井氏の略歴をみて・・・

やない・ただし 49年(昭24年)山口県生まれ。51歳。71年早大政経卒。72年小郡商事(現ファーストリテイリング)に入社し、家業の紳士服店を父親から引き継ぐ。84年社長に就任し、ユニクロの展開を始める。市場経済と競争原理の徹底した信奉者。保護と甘えを嫌う。好きな言葉は「泳げないやつは沈めばいい」。
(平成13年1月1日付日本経済新聞朝刊から)

保護と甘えを嫌う。泳げないやつは沈めばいい。なんだ、これは?
その年、安価な輸入品の攻勢で苦境に立たされた地場の繊維産業から、セーフガード発動を求める声があがりました。それに対する柳井氏の発言。

「保護された産業が生き残った例はない。冗談以外の何物でもない」。カジュアル衣料専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング柳井正社長は二十二日、日本記者クラブで講演し、国内繊維業界でセーフガード(緊急輸入制限措置)を求める動きが強まっていることを厳しい口調で非難した。
(平成13年5月23日付日本経済新聞朝刊から)

もちろん、いずれは生き残れないにしても、即座にクラッシュさせるのがいいかどうか、という議論のはずなんですが…。
さらに、柳井氏は小泉政権誕生の感想を問われてこう答えました。

 ――構造改革路線は“弱肉強食”につながりませんか。
 「それは仕方がない。世界中がそうなのに、日本だけが例外ということはあり得ない。好き嫌いの問題じゃなくて、やらなければ全員で沈んでいくしかない。一生懸命やっている人が沈みたくないのは当然のことだ。失業した人が再就職できるよう教育するなど、セーフティーネットさえ整備されるなら企業が倒産してもやむをえない。今のようにもうからない時に巨額の債務をかかえている企業を再建するのは難しいし、再建しようとすると、さらに多くの金が必要になる」
(平成13年6月2日付日本経済新聞朝刊から)

あなたの「世界中」はアメリカと中国沿海部だけなんですね。これ以来、わが家ではユニクロで買うのはやめました。

  • ちなみに、「泳げないやつは沈めばいい」というのは、かのビル・ゲイツ氏の「名言」なのだそうです。しかし、Windowsは使わないわけにいかないものなぁ…。(ゲイツ氏は柳井氏の言うような意味で言っているのではないとも思いますし)