連合の「労働契約法制シンポジウム」

きのうの関連ですが、連合ニュース「WEEKLYれんごう」7月20日号によると、7月6日に連合は「緊急シンポジウム「労働契約法研究会・中間取りまとめを読む」」を開催したとのことで、そのもようが紹介されています。

 7月6日 厚生労働省は今後の労働契約法制の在り方に関する研究会の「中間とりまとめ」を公表した。これに対し、専門家の幅広い意見を聞いて、労働者にとって働きがいのある労働契約法にするためにはどうするべきか、構成組織、地方連合会ほか地方労働委員会、社労士会、法律事務所などから150人が参加して、緊急シンポジウム「労働契約法研究会・中間取りまとめを読む」を都内で開催。「労使委員会制度」「解雇の金銭解決制度」「雇用継続型契約変更制度」「労働時間法制の見直し」などの問題点を浮きぼりにした。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/new/news/weekly/no098/01.html

ふむ、「専門家の幅広い意見」であって、「幅広い専門家の意見」でないところがミソですね。


で、具体的にはこういうことのようです。

古川弁護士、名古屋大学・和田教授、一橋大学・盛教授を迎えてパネル討論を行った。古川弁護士は、提起されている解雇の金銭解決制度について、「労働者側と使用者側とどちらを向いてつくったものなのか」と問題点を厳しく指摘した。和田教授は、雇用継続型契約変更制度について、使用者からの契約の変更に応じられないときに、労働者が変更や解雇の合理性を求めて訴訟せざるを得ないことは「正義衡平の観点から妥当ではない」と述べた。盛教授は、「中間取りまとめは、2003年の労基法改正で積み残された『厚生労働省にとっての懸案事項』を盛り込んだもの。これらは労働者にとって必要なものだろうか」との懸念を示した上で、常設的な労使委員会制度の問題点と課題を指摘し、「別のかたちの労働契約法をつくられないよう警戒を。安易な妥協はすべきでない」との意見を述べた。

「幅広い専門家の意見」ではないことはいいのですが、これが「専門家の『幅広い』意見」なのか、ということにもいささか疑問を感じるのですが・・・まあ、もともと「中間取りまとめ」は非常に広範な論点を取り上げていますので、そういう意味で「幅広い」とはいえるでしょうが。「専門家の幅広い範囲の、しかし一方的な意見を聞いた」というところでしょうか。もちろん、連合の理論武装だからそれでいいわけですが。