育休?おれが取るの?

まず週末の記事から。「少子に挑む」シリーズです。

20年ほど前から育児支援の充実に取り組んできたベネッセコーポレーション。人財部の伊藤恵子(49)が対策を練る。「一カ月でもいいから、まずとれる範囲で実績を積む環境づくりを進めましょう」。同社の女性従業員の育休取得率はほぼ100%。子育て支援の代表格だ。ところが男性の育休実績はゼロ。社内調査ではとってみたいと答えた男性は四割もいた。もっとも多くは「休む時間がとれるなら」との条件付きだった。
(平成17年5月29日付日本経済新聞朝刊から)

そうはいいますが、ね・・・。


この「4割」という数字も、以前のエントリへのコメントでgowestさんが指摘されたように、「本当に自分が取るとは思っていない」から、気楽に「とりたい、とってみたい」と答えた結果なのではないかと思います。「休む時間がとれるなら」という条件も、「現実には休む時間が絶対に取れない」という意味ではないでしょうか。しかもこの「時間がとれる」というのは、「その間の仕事は誰かがやってくれて、しかも自分の評価や昇進昇格は休まなかった人と同程度以上が保証される」くらいの意味ではなかろうかと思うわけです。違いますかね。まあ、もちろん違う人もいくらかはいるだろうとは思いますが・・・。
そういう意味で、同日の「少子に挑む アンケートから」にある次の記述は的を外していると思います。

 男性が育休から復帰した後、「査定や昇進に影響がある」とする社も9%あった。育児で休むということのマイナスイメージをなくさなければ取得の不安は解消されない。
(平成17年5月29日付日本経済新聞朝刊から)

そんなこと言っているかぎり、育休取得が大幅に進むことはないでしょう。「仕事面、たとえば査定や昇進ではマイナスかもしれないけれど、子どもを持ち、育児に参加することのプラスのほうが私の人生では大きい」というように、仕事だけではなく人生全体で「キャリア」を考えていくことが大切なのではないでしょうか。