厚生労働12月号

「厚生労働」といわれても知らない人が多いと思いますが、厚生労働省の広報誌です。その12月号で、エイジフリーに関する座談会に管理人が登場いたしました。これは本屋で買えるのかな?
「厚生労働」12月号
「エイジフリー」という言葉はたびたび使われますが、意味するところはいまひとつ明確ではないようで、使う人によってニュアンスが違っているように感じます。座談会でも、おたがいに「エイジフリー」の定義が微妙に違うようで、気を使いました。
エイジフリー、というとアメリカの年齢差別禁止を想起する人が多いようですが、しかしアメリカでも雇用のエイジフリーは40歳以上という限定つきですし、年金などでは年齢による制度、管理もあります。EU指令が年齢差別を禁止したというのも話題になりましたが、こちらは公的年金が満額支給される年齢を超えていれば、定年制(直訳すると年齢による強制退職ということになっているらしい)も容認されるとなっています。数年来、エイジフリーイコール定年制禁止、という短絡的な議論もありましたが、事態は決してそんな単純なものではなさそうです。
年齢というのは明確で客観的、公平かつ機会均等な、誤解を恐れずに言えばある意味で理想的な指標であるともいえます。結婚、選挙権、あるいは社会保障と、あらゆる場面で年齢による制度、管理が存在します。人事管理においても年齢をすべて排除することが本当にいいのか、正当化できるのか、私は疑問だと思います。
とくに、定年や、あるいは役職定年のような受け入れにくいことを受け入れるためには、年齢を基準にするのが結局は納得のいきやすい方法だという実態もあります。エイジフリーは理念としては立派ですが、現実にはいろいろと課題や制約があることも考慮にいれるべきではないでしょうか。