産政研フォーラム2020年春号

 (公財)中部産業・労働政策研究会(中部産政研)様から、機関誌『産政研フォーラム』2020年春号(通巻125号)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。
http://www.sanseiken.or.jp/forum/
 今回は「イキイキと働くシニアを考える」特集の4回めで、太田聰一先生と安藤至大先生が論文を寄せられています。太田先生の論文は60歳代前半と後半の職業分布の過去10年の変化を検証したもので、60歳代前半は明らかに59歳以下の世代の職業分布に近づいている(59歳世代と同じ職業に就く人が増えている)のに対し、60歳代後半ではそうした変化が見られないことが明らかになっています。65歳継続雇用の義務化の政策効果により、60歳代前半の職業構造が変化し、世代交代が遅くなっている可能性が示唆されています。今後、60代後半の継続就労が政策的に促進されると、さらにこうした傾向が60代後半でも出てくる可能性がありそうです。安藤先生の論文は大竹文雄先生の『行動経済学の使い方』(岩波新書、2019)を紹介しながら定年前後の高齢者の意欲の維持につながる施策を提案しています。
 本誌の呼び物、その大竹先生の連載『社会を見る眼』は最近話題のテレワークについて検討しています。テレワーク向きの仕事、そうでない仕事がわかりやすく整理されています。