製鋼所の年次有給休暇

月曜日の日経から。

 神戸製鋼所は二〇〇八年度から、全社員を対象に労働時間を年間百時間減らす。残業の削減が柱で、二十四時間操業の製鉄所を除き、夜十時以降の深夜労働を原則禁止する。部下の休日出勤を減らすよう管理職に通告し、有給休暇は年間五日以上の取得を促す。残業が目立つホワイトカラーの生産性を高め、採用活動で学生に働きやすい会社であることをアピールする狙いもある。
 労働組合からの提案を受けて、会社側が総実労働時間を一人当たり年間百時間減らすことを決めた。神鋼によると〇七年度の総実労働時間の平均は年間二千百五十時間。これを〇八年度に二千五十時間以下にする。すでに全社員に対し、残業時間を七十時間減らす一方で、有給の取得日数を三十時間分増やして百時間削減を目指すよう勧告した。

 鉄鋼大手は一九八〇年代後半の円高不況期から段階的に大規模なリストラを実施。神鋼もこの二十年間で社員数(単独ベース)が六五%減った。現場への負担が強まるなか、全社的に労働時間削減の目標を掲げて社員の負担を減らす狙いだ。
(平成20年8月11日付日本経済新聞朝刊から)

おっと、「有給休暇は年間五日以上の取得を促す」って、年に5日も取っていないということですか?「有給の取得日数を三十時間分増や」すということは、1日8時間とすると4日弱で、ということは現状では年間1日ちょっとしか年次有給休暇が取得されていないということなのでしょうか?
まあ、365日24時間操業の製鋼業では、年次有給休暇のかなりの部分を指定年休(計画的付与)にして勤務日割を組み、休日を確保しているという実態もあると聞きますので、その部分は含まれていないのでしょう。残りの自由取得の休暇が何日残されているかはわかりませんが、労働基準法上は付与日数のうち5日を除いた残りの日数は計画的付与の対象とできることになっていますので、計画的付与をめいっぱい使っているのであれば、あと年5日とれば完全取得という理屈にもなります。付与日数の少ない新入社員などもいるわけですので、そうそうめいっぱいも使えないはずではありますが…。