全社会保険事務所に強制徴収専任担当者

 社会保険庁は二〇〇八年度から三百十二すべての社会保険事務所に強制徴収の専任担当者を配置する。七日発表した〇七年度の国民年金保険料の納付率は六三・九%と、二年連続低下し、収納対策は喫緊の課題。ただ年金記録問題に人手を割かれており、今後納付率が向上するかは不透明だ。
 国民年金は二十歳以上六十歳未満の自営業者やパート労働者、学生らが加入し、保険料を納める義務がある。対象は三月末で二千三十五万人。うち未納者は三百八万人いる。すべての年齢層で納付率が低下した。二十五―二十九歳は五一・五%だった。
 未納者を放置すれば、将来、低年金・無年金者が増える。社保庁は滞納者の財産を差し押さえる強制徴収などの収納対策を強化。〇七年度は二万七千件を差し押さえる計画だった。ただ年金記録問題への対応に人員を割かれ、目標達成率は四割だった。
 ただ強制徴収も継続的にやれば効果が出ることも分かった。対象年度に時効を迎える二年後までの徴収分を加えた最終納付率(〇五年度)は七二・四%と当初の納付率を五・三ポイント上回った。社保庁は年齢や所得など未納者の属性に応じた効率的な督促を進める方針だ。
(平成20年8月8日付日本経済新聞朝刊から)

「強制徴収の専任担当者を配置する」だけではなく、しっかり強制徴収してほしいものです。基本的に民間ではこうした強制的なことはできないわけで、やれるのは官しかないわけですから、これこそ、官のやるべき仕事といえるでしょう。給料の相当割合は強制徴収額に応じた歩合にするくらいの気合でやってほしいものです。もちろん、つらくて時に危険な仕事でしょうから、それなりの待遇を確保したうえで。