霞ヶ関の若手官僚に新手当

 人事院は十一日まとめた二〇〇八年度の国家公務員(一般職)の給与勧告で、中央省庁の本省に勤務する若手職員らに新たな手当を〇九年度から支給するよう求めた。景気の低迷で伸び悩む民間企業の賃金動向を踏まえ、〇九年度の月給と期末・勤勉手当(ボーナス、現行四・五カ月)を二年ぶりに据え置くよう要請した。
 人事院は毎年、民間の給与水準を調べ、官民格差を是正する措置を国会と内閣に勧告している。労働基本権の制約を受けている国家公務員は労使間で賃金交渉ができないためだ。
 本省の若手職員らに支給するよう求めた新手当の名称は「本府省業務調整手当」。国会対応や予算編成作業などの負担が重い点を考慮し、来年四月から支給すべきだと勧告した。
 係長には基本給の四%、係員には二%を月給に上乗せして支払う。支給額は月四千―一万五千円程度。初年度は移行期間として、それぞれ二%、一%に抑える。
(平成20年8月12日付日本経済新聞朝刊から)

方向性としては正しいと思うのですが、引き上げ幅が硬直的というか、もっと大胆に上げてもいいのではないでしょうか。記事の内容は「若手」ということでキャリアには限られていないのかもしれませんが、とりわけキャリアについてはそう感じます。私も仕事柄若手のキャリア官僚とはおつきあいがありますが、彼ら・彼女らの能力の高さや日々の研鑚、さらには業務量や拘束時間・待機時間の長さなどを考えると、巷間言われている彼ら・彼女らの処遇はいかにも低きに失する感があります。
さらにいえば、手当の新設といった小手先の対応ではなく、もっと抜本的に賃金制度を見直し、能力・職務・貢献度に応じた賃金が支払われ、定年まで本省内で勤続できるような制度にしていくことが必要なのではないでしょうか。