人材サービス、成長踊り場に

今朝の日経から。

 派遣や紹介など人材サービス各社の成長が踊り場に差し掛かった。主要企業の業績が失速、株価も低迷が続く。成長を後押ししてきた人材不足が一転、コスト増など逆風になってきたためだ。中長期的には成長が見込まれるが、各社横一線の拡大という時代は終わりつつある。
 人材サービス主要十三社のうち、インテリジェンスやジェイエイシージャパンなど五社が今期の業績予想を下方修正した。九社が営業減益もしくは増益率が鈍化する。
 減速感が目立つのは人材派遣会社。企業が正社員採用を拡大し、派遣スタッフの主力層だった二十―三十歳代の女性が正社員を目指したこともあり、人材確保に苦しむ。日本人材派遣協会の調べでは、七―九月の稼働スタッフ数は約三十四万人強(主要百七社の人数を集計)と約四年ぶりに前の四半期を下回った。

 〇四年の規制緩和で本格離陸し、八兆円規模まで育った人材ビジネスが初めて迎えた成長の踊り場。ただ中長期には成長への期待は大きい。人口減に伴い女性やシニア層を今以上に活用する動きは広がるだろうし、経済のグローバル化を背景に、国境をまたぐ転職なども活発になるとみられるからだ。
 そんな将来の果実を手に入れるには、当面の逆風を乗り越えなければならない。人材サービス各社の知恵と実力が試されるステージに入りつつある。
(平成19年12月18日付日本経済新聞朝刊から)

そのとおりでしょう。派遣する人材の確保が難しくなり、経営が厳しくなってきたときに、派遣社員に優れた労働条件を提示できる派遣会社、良質な派遣社員を供給できる派遣会社、派遣社員を育成しスキルを向上させられる派遣会社、さらには派遣社員のキャリア形成にきちんと意識して取り組む派遣会社が「良い派遣会社」として生き残り、これらが劣る派遣会社が淘汰される、というメカニズムが働くことが期待されます。そうした「良い人材サービス」こそが、これからの時代のニーズにこたえられるのだろうと思います。