国家公務員に短時間勤務

もうひとつ週末の日経新聞から、やはり公務員ネタです。

 政府は少子化対策として常勤の国家公務員であっても一日8時間働かなくてよい「短時間勤務制度」を2007年度にも導入する。育児中は4時間勤務を認める案が有力だ。保育園の送り迎えなどの時間ができ、子育てと仕事の両立がしやすくなるとみている。8月に人事院が給与勧告と同時に示す報告に明記する。
 現行法は国家公務員について「週40時間労働」と規定。短時間勤務は認めていない。例外として、3歳未満の子供がいる場合、一日最長2時間まで勤務時間を短縮できる「部分休業」が可能だが、「それでは不十分」との指摘が出ていた。
(平成17年6月12日付日本経済新聞朝刊から)

民間の育児時間は「1日2回各々少なくとも30分」の計1時間ですから、現状の1日2時間でもかなり恵まれているのに、さらにそれを倍に、民間の4倍にしようというわけですな。


そのうえ、国家公務員の場合は育児休業も「3歳に満たない子を養育する職員であれば、最長でその子の3歳の誕生日の前日まで」と、要するに3年間取得することができることとされています。これまた、民間の原則1年・例外1年半に較べるとずいぶん恵まれておりますな。
で、たしか私の聞いたところでは、この「3年間」という厚遇を正当化する理屈として、こんなことが云われていたと思います。

公務員は定員が法律で決まっている。しかるに、育児時間を取得して1日6時間勤務となった職員でも、定員としては1人なので、補充ができない。したがって公務員には育児時間制度はあるが事実上利用できない。よって、民間では3年間、短時間勤務などの利用ができるからして、公務員には3年間育児休業を認めるべきである。

現実には、民間では、1歳以上3歳に満たない子を養育する労働者に関しては、「育児休業に準ずる措置」か、「短時間勤務」「フレックスタイム制」「始・終業時刻の繰上げ・繰下げ」「所定外労働の制限」「託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与」が求められているに過ぎませんから、この理屈だってかなり強引なシロモノですが、それにしてもこの理屈がそのとおりなのだとしたら、2時間を4時間にしたところで「使えない」のですから無意味だということになるような気がしますが。
それとも、補充ができるように定員を見直すということでしょうか。であれば、「育児休業3年」は民間並みに短縮すべきでしょう。
これだから、官は民に信頼されないのですよ。おわかりですか。