- 作者: 八代尚宏,鈴木玲子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2005/01
- メディア: 単行本
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この本の最後にも書いてありますが、岩波新書の橘木俊詔「家計から見る日本経済」がいうような、経済成長を追及するあまり家計が豊かさを実感できない、みたいな議論よりはずっと共感できます。
それはそれとして、この本はなんと「組合費」が「社会的な儀礼・慣行」による支出として家計を圧迫していると指摘しています。
サラリーマンにとって義務的な経費の一つに、税金と同様に、給与から天引きされる組合費がある。(中略)労働運動が停滞するなかで、これに見合った経済的効果は実感しにくくなっている。そのように必要性が薄れたにもかかわらず、制度的に減らせない支出として、家計の負担となっている可能性がある。
「義務的」「税金と同様」ときましたか。もちろん、これはそれなりに「サラリーマンがそう感じている」というウラはとっているのでしょうから、労組関係者はこの主張をどう読むのでしょう。労働組合は組合員全員の参加によって成り立つもので、組合費で執行部からサービスを買うものではない、と私のような古典的な労務屋は思ってしまうのですが・・・。
ちなみに昨今では組合員の類似の声に押されて組合費を値下げしたり闘争資金積立を一部返還したりしている労組もありますが(本書でも指摘されてます)、本当にそれ(だけ)でいいのでしょうか?
ところで、しょうもないことですが(もう修正されているかもしれませんが)最後の参考文献のところで橘木俊詔先生が橘木俊「昭」先生になっているのはいかがなものかと(笑)