日本労働研究雑誌特別号

 (独)労働政策研究・研修機構様から、『日本労働研究雑誌』特別号(通巻727号)をお送りいただきました。いつもありがとうございます。
www.jil.go.jp
 日本労使関係研究協会(JIRRA)様からもお送りいただきましたがこちらは会費を払っている(笑)会員だからかな。例年特別号は労働政策研究会議(JIRRAの研究大会)の特集号なのですが、2020年度の労働政策研究会議は「<平等>の視点からみた女性労働」を統括テーマセッションに私の学会におけるボスである脇坂明先生が準備委員長を務められ、開催直前まで準備が進められたのですが、残念ながら新型コロナ禍によって中止のやむなきとなりました。したがって本号は労働政策研究会議の紙上開催ともいうべきものであり、もちろん研究大会の重点である(特に自由論題)質疑応答や議論はないわけですが、しかし例年力作が揃うイベントであり、聴講できなかった分しっかり勉強させていただきたいと思います。
 特に、統括テーマの論文が4本あるのえすが、うち1本が労組の活動家による集団的関係からみた女性労働に関するものであり、次に最近ジリアン・トーマス『雇用差別と闘うアメリカの女性たち 』の日本語訳を出された中窪裕也先生の労働法の論文が続き、その後に経済学と脇坂先生ご自身による人事管理の論文が続くという、さすが脇坂先生らしい構成になっています。自由論題をみてもJILPTの西村・前浦両先生のスウェーデン派遣労働者の賃金についての論文があり、これはわが国における派遣の同一労働同一賃金の労使協定方式導入につながるものと思いますし、松浦民恵先生がやはり集団的労使関係に着目した論文を出されているのも目をひきます。ほかにも興味深いテーマが揃っており楽しみに読ませていただきたいと思います。