「労務事情」1月合併号座談会「“平成”の労務管理」

 もうひとつ、産労総研様の業界誌「労務事情」の2019年1月合併号の座談会「“平成”の労務管理-労働法制・労働行政等のトピックスと実務課題への対応」に登場しております。

 hamachan先生ことJILPTの濱口桂一郎先生の司会のもと、経営法曹の伊藤昌毅先生、元監督署長で特定社労士の森井博子先生とごいっしょに、中央大学ビジネススクール客員講師の肩書で参加させていただきました。冒頭の一節をご紹介させていただきます。

●濱口 本日は、平成の30年間(1989~2018年)を振り返りながら、企業の労務管理を巡る変遷を辿り、新しい時代における課題を展望してみたいと思います。まずは、平成という時代を、人事管理という視点で概観していただけますでしょうか。
●荻野 平成の30年は、経済環境が悪化するなかで構造改革が叫ばれてきたことが、企業の人事管理にも非常に大きな影響を与えた時代だったと思います。ただし、さまざまな変化はあったものの、昭和の時代に大切にしてきた日本的な人事管理というものは、かなり温存されていると思います。裏返せば、日本的な人事管理のよいところを守るべく労使で苦戦してきた30年という考え方もできるのではないでしょうか。
ひと言でいえば、社員の雇用を最優先して状況に応じた施策を講じてきたわけですが、結果として、その当時新卒で正社員就職できなかった人たちの問題は、新たな雇用の入口を狭めてしまったという点は否定できません。現在でもかなり尾を引いていますから、若い人たちにとっては、納得いかないところがあると思っています。

なお本座談会も倉重先生との対談も肩書は「客員講師」ですが、現在ではなぜか2階級特進して「客員教授」になっております(笑)。