産政研フォーラム秋号

(財)中部産業・労働政策研究会様から、季刊の機関誌「産政研フォーラム」91号(2011年秋号)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.sanseiken.or.jp/forum/index_91.html
今回の特集は「価値を創る」ということで、私として面白かったのは名市大の松村文人先生の「日本の労働組合の目標」という論文です。韓国の金属産業労組が企業別組合から産別組合に転換した事例を紹介し、わが国労働運動への含意を探ろうとしておられます。いっぽうで北欧・南欧で分権化が進んでいることも紹介されており、さてわが国の進むべき道は…特に断定はされていませんが、集権化への明らかなシンパシーが感じられます。
よくよく考えてみる必要のあるテーマなのでしょうが、米国でも世間で思われているよりは分権的だという話もあります。言葉では集権化と言っても本当にできるのかという現実的な話もあって、少なくとも韓国ほど容易ではないでしょう。
もうひとつ、南山大学の頑固小父さんこと願興寺ひろ之(ひろは月へんに告)教授が就活について一文を寄せておられ、早期化・長期化はもちろん困るけれど課題解決能力やコミュニケーション能力の向上といった教育的効果もあっていい面もある(大意)といったことを書いておられ、似たような話を大学の先生から個人的な会話の中で聞くことは間々あるのですが、ここまでおおっぴらに書かれたものは初めて見たような。率直というか大胆というか。