今年の10冊+1冊

年の暮れが近づいてまいりました。今年も例年同様、一年間の収穫を振り返ってみたいと思います。例によって著者50音順で、同一著者については一冊としました。

生駒俊樹『実践キャリアデザイン』

実践キャリアデザイン―高校・専門学校・大学

実践キャリアデザイン―高校・専門学校・大学

やはり現場の話は面白い。一気に読んでしまいましたし、もっと読みたかった。書評はこちらです

江口匡太『キャリア・リスクの経済学』

キャリア・リスクの経済学

キャリア・リスクの経済学

年初の本なのですが、いま振り返ってみても私が今年いちばん楽しく読んだ本のような気がします。書評はこちらです

太田聰一『若年者就業の経済学』

若年者就業の経済学

若年者就業の経済学

太田先生初の本格的モノグラフです。世代効果や中高年雇用とのトレードオフといった若年雇用問題の基本的論点がていねいに実証されていて説得力があります。

大竹文雄『競争と公平感』

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)

『日本の幸福度』を採りたいという気持ちもかなり強かったのですが、各種経済書ランキングで軒並み上位に名を連ねたこちらを。書評はこちらです

玄田有史『人間に格はない』

人間に格はない―石川経夫と2000年代の労働市場

人間に格はない―石川経夫と2000年代の労働市場

玄田先生らしい本ですが、『希望のつくり方』もこれまた玄田先生の個性が出ていて面白く、迷いましたがこちらを。書評はこちらです

佐藤博樹・佐野嘉秀・堀田聰子『実証研究日本の人材ビジネス』

実証研究 日本の人材ビジネス

実証研究 日本の人材ビジネス

佐藤先生についても、『結婚の壁』や『働くことと学ぶこと』など他にも採りたい本があるのですが、しかし一冊ということならこれでしょう。某所ではいたく不評のようですが(笑)。書評はこちらです

高橋伸夫組織力

組織力 宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐ (ちくま新書)

組織力 宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐ (ちくま新書)

高橋先生も今年は新書を2冊出されました。『ダメになる会社』も採りたい本ですが、より人事労務に近い内容のこちらを。書評はこちらです

出井智将『派遣鳴動』

派遣鳴動

派遣鳴動

説得力ある現場の肉声。ぜひ政策にとどいてほしい。書評はこちらです

野田知彦『雇用保障の経済分析』

雇用保障の経済分析―企業パネルデータによる労使関係

雇用保障の経済分析―企業パネルデータによる労使関係

第53回日経経済図書文化賞を受賞されました。たしかに、私も強いて「今年の1冊」を選ぶのであれば、非常に迷うのではありますがこれかなあと思います。書評はこちらです

守島基博『人材の複雑方程式』

人材の複雑方程式(日経プレミアシリーズ)

人材の複雑方程式(日経プレミアシリーズ)

共感する部分の多い本です。「日本労働研究雑誌」12月号に「読書ノート」を書かせていただきました。その際の簡単な感想こちらにあります。

【番外】J.フェファー『人材を活かす企業』

人材を活かす企業 (Harvard Business School Press)

人材を活かす企業 (Harvard Business School Press)

もう一冊、これは復刊なのと、上の守島基博先生が監修されているので番外ということで。"The Knowing-Doing Gap"の邦訳(『実行力不全』長谷川喜一郎監修、菅田絢子訳)が復刊されたときには好著復刊キターと騒いだのですが、今回は忘れてました(笑)。で、そのエントリ(もう4年前だ)で本書についても復刊を希望すると書いたのですが、ついに。翔泳社GJ。翔泳社"Hidden value"の邦訳(『隠れた人材価値』長谷川喜一郎監修、広田里子・有賀裕子訳)も出していますね。
ちなみに初回の訳が出たときに書評を書いています。10年前のものなので今読むと一部自分でも「?」な感はあるのですが(笑)
実行力不全 なぜ知識を行動に活かせないのか (Harvard business school press)

実行力不全 なぜ知識を行動に活かせないのか (Harvard business school press)

隠れた人材価値 (Harvard Business School Press)

隠れた人材価値 (Harvard Business School Press)