連合事務局長談話

きのうの続きで連合の事務局長談話をご紹介します。一昨日(12月13日)には「国連気候変動枠組条約第16回締約国会合(COP16)の結果に対する談話」が出されました。

 メキシコ・カンクンで開催されていた「国連気候変動枠組条約第16回締約国会合(COP16)」は12月11日(土)未明、「カンクン合意」を採択し閉幕した。
 合意内容は、米・中など温室効果ガスの主要排出国が加わる新たな温暖化対策の枠組み「ポスト京都議定書」の早期策定を目指すとしている。京都議定書の単純延長という最悪の事態は回避できたが、これは日本政府が京都議定書の枠組み延長の回避に向け「すべての主要排出国が対象となるコペンハーゲン合意をベースに、公平で実効的な枠組みの構築を目指す」とした方針を堅持し、最後まで粘り強く交渉を行った結果であり、連合は政府の対応を評価する。
 連合は締約国会合に先立ち、11月18日の第14回中央執行委員会において、「全ての主要排出国が参加する公平かつ実効性ある法的拘束力を備えた国際的枠組の構築」と「世界全体の排出削減と雇用の安定・創出の両立」を求め、京都議定書の単純延長等には断固反対する旨の「COP16に向けた連合の対応方針」を確認した。…
 …連合は引き続き、地球全体の排出削減を実現するためには「アメリカや中国、インド等を含めたすべての主要排出国が参加する公平かつ実効性ある法的拘束力を備えた国際的枠組を構築し、その枠組の下で責任ある対策を実施することが不可欠」であることを日本政府と共有し、引き続き国際社会に訴えていくとともに、実効ある排出削減に向け、取り組んでいく。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2010/20101213_1292304255.html

政府間で苦労している状況ですし、労組の国際連帯にも出番があるように思うのですが、あまりやる気はないのでしょうかねえ。http://www.ituc-csi.org/what-do-we-want-in-cancun-just.htmlなんかを見るとITUCもまるっきり無視しているわけではないみたいですし。中国はともかくアメリカなら、たとえばAFL-CIOが米国政府に温暖化防止枠組みへの参加を要求するよう連合が要請するとかいうことも考えられるのではないかと思うのですが。現実的ではないのかなあ。まあたしかに、アメリカの労組はむしろ枠組み参加に反対するかもしれないなという気もします。というか、自分たちの雇用のことを考えれば、連合も温暖化防止枠組みをもっと警戒したほうがいいのではないか?とも思えるわけで、まあ民主党の政策を支持するということなのかもしれませんが、本当にそれでいいのかと…。
続いて、きのう(12月14日)発表された「消防職員の団結権のあり方に関する検討会報告についての談話」です。

 本日、総務省は、本年1月以降、審議を重ねてきた「消防職員の団結権のあり方に関する検討会」は12月3日の第9回検討会をもってとりまとめた報告を発表した。団結権を付与することにより生じる課題・懸念を踏まえ制度のあり方と対応策について5つのパターンを示している。原口前総務大臣ILO勧告を踏まえた検討を指示したことにより設置された検討会であるが、団結権を付与すべしとの内容になっていないのは遺憾である。しかし、検討会の中での激しい意見対立の中で、付与した場合の制度のあり方を提起し、文脈において付与は可能であるということを示唆したことは大きな前進であり評価する。

 消防職員への団結権付与に向けた方向性は明確に示唆された。政府はこの報告書を受け、ただちに団結権付与のための制度設計と関係法令改正の準備に着手すべきである。連合は、すべての働くもののため、労働基本権をすみずみにまで確立し、民主的な公務員制度改革の実現に向け、全力で取り組む。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2010/20101214_1292297796.html

団結権を付与すると、複数組合ができて職員間の対立構造ができ、緊急時の適切な対応を阻害するのではないかという心配があるわけですが、まあ旧国鉄も相互に対立関係にある複数組合がありましたがそれでダイヤが乱れたわけでもなく、日航もまあ安全運行しているわけですから、それほど心配いらないのかなあという気がします。むしろ消防団との関係が難しそうだとは思いますが、しかしこれはまず消防団をこれからどうしていくのかというそもそもの問題をはっきりさせるべきだろうと思います。
いずれにしても争議権は付与しないという前提のようで、さすがに連合もそこまでは求めないのでしょう。