厚労官僚の一日

思いがけず、厚生労働省のサイトで「職員の一日」というページを発見しました。
http://www.mhlw.go.jp/general/saiyo/6-14.pdf
どうやら、1種のリクルート用のもののようで、「1年生」「係長」「課長補佐」「課長」の4人が登場して、それぞれのレベルでのキャリア官僚の一日の仕事振りを紹介しています。「1年生」が平成14年入省ですから、平成15年用のものですね。「課長補佐」のモデルになっているのは、現在では職安局の需給課長としてちょうどいま派遣法改正に大活躍している鈴木英二郎氏です。
さて、「1年生」の一日はというと、9:25に出勤、午前はエントリージョブである窓口業務。昼休みには「お昼は日比谷の方まで行ってみましょう。女性職員にあっさり断られたので今日も男性職員のみですが、」とジェンダー的にやや問題?な記述も。午後は上司のお供に問い合わせ対応。で、質問主意書が当たったという想定で、終業は23:00と深夜になっています。
「係長」は女性で出勤は9:30。午前は資料作成で午後は会議、まだまだ「勉強」が強調されています。夕刻に問取り、答弁作成と官僚らしい仕事が入り、「みんなが早く帰れるよう、スピードをあげて作業をしなければなりません」と書いてあるのに退庁は23:00、それでも「今日は割合早く終わりました」。まあ、これも官僚らしいということでしょうか。「毎日の帰宅時間は決して早くなく、仕事も楽とは言えません」とはまた率直な…。
さて「課長補佐」は前述の鈴木氏で、当時の職場は基準局総務課。出勤は8:55で、「政党の部会やその日の国会答弁の大臣レクなどは朝早く行われることが多いから、前の日の仕事が遅くなっても、遅れてくるわけにはいかない」とのことですが、9:30始業というのは民間の感覚では「朝早く」とは言わないような…。ま、その分夜は遅いわけでしょうが。午前は局議に大臣レク、午後は会議に決裁に国会対応。こちらは質問が当たらなかったという想定で19:00退庁。ということは質問が当たれば深夜ということですな。「仕事がなければ即退庁だ。ダラダラ残業が評価されたのなんて過去の話。「明日できることは、明日やる。」」おお、さすが時短を推進する基準局。さらに、20:30帰宅で「玄関では、子供たちがパパをお迎え。一日の疲れも、この瞬間に吹っ飛ぶぞ」とは、さすがにワーク・ライフ・バランスを推進する厚労省。まあ、これは私もまことに同感です。
最後は「課長」で、さすがに課長となると与党との朝食会からのスタートになっています。午前は部下からの報告と課内の打ち合わせで、昼休みも記者の取材や局長への報告など、管理職だけあって仕事をしています。午後は記者発表に局議、夕刻は研究会、その後研究会メンバーと夕食、役所に戻って20:45退庁となっています。「朝の与党での会議から夕方からの研究会と、いつになくハードな一日」という設定のようです。まあ、中間管理職が大変なのはいずこも同じでしょうが、役所の課長といえば、ヒラに毛が生えたくらいが多い民間の課長(名ばかり課長(笑))に較べたら100倍は偉いわけで、やはりしっかり働いていただきましょう。
なにかというとバッシングの対象になりがちな高級官僚ですが、私の知るかぎりほとんどのキャリアは使命感高く誠実に激務に取り組んでいます。世のため人のため、がんばってほしいものです。若者よ、厚生労働官僚をめざそう(笑)