時代を映すCM

宅建築で急成長した「タマホーム」が、タレントのみのもんた氏を起用してテレビCMを放送しています。いくつかのバージョンがあるようですが、「お父さん篇」というのがなかなかおもしろい。タマホームで家を新築したお父さんという設定の人とみの氏の対話で構成されています。

みの氏「どうですか、新築」
お父さん「もう、ほとんど毎日、早く帰ってますね」
みの氏「でもあれでしょ、残業代しっかり稼がないといけないんじゃない、ローンもあるんでしょ」
お父さん「ええ、そっちのほうは、まあ、意外…といけますね」
みの氏「いけちゃう、へー」
お父さん「なんか、まあ、早く家に帰って、帰ってこう、家を味わいたいみたいな感じで」
みの氏「へー、いいねえ」
(動画はhttp://www.tamahome.jp/corp/tvcm/にあります)

サイトの解説は「安心価格のタマホームで、念願のマイホームを手にしたお父さん。家での過ごし方、ライフスタイルにもうれしい変化が。」となっています。基本的にはローンの負担が軽い「安心価格」を訴求したいのでしょうが、このところ流行の「ワーク・ライフ・バランス」も取り込んでいます(意図的に…だと思うのですが)。残念ながら「家」が強調されすぎていて「家族はどうでもいいのかよ」という感はなきにしもあらずで、できればここはぐっとこらえて「家族と過ごしながら家も味わいたい」くらいにしておいてくれればよかったのですが。
それはそれとして、いっぽうでこのCMは「ローンがあるから残業代を稼がなければならない」という世のお父さんのもうひとつの現実(こちらのほうがはるかにリアル)もたくまずして?映し出しています。先般のホワイトカラー・エグゼンプション(WE)の議論の中で公明党の太田代表が「残業代が生活に組み込まれる現実があったり」と発言しましたが、まさにそれですね。まあ、年収900万円あればローンが払える人にとっては、先般のWEの法案は、その年収を確保しつつ年間104日の休日まで義務化されて家を味わえる(笑)という、実はかなりオイシイものだったんですけどね…(そのかわりその恩恵にあずかれる人はそう多くはないわけですが)。