年次有給休暇の時間単位取得

今朝の日経新聞で報道されていました。

 厚生労働省は最低取得単位が原則一日とされている年次有給休暇制度について、時間単位で取得できるようにする検討に入った。厳しい雇用環境を背景に有給休暇の取得率が落ち込んでいたが、厚労省は取得単位を細かくして同制度を活用しやすくする。雇用形態の多様化などに対応する狙いもある。
…通院や子供の幼稚園への送迎など、数時間だけ職場を離れなければならないケースも「有給休暇」に組み入れることが可能になる。雇用形態の多様化にも対応しやすいほか、女性の就労を促す効果もあるとしている。
 ただ、企業が実質的に時間単位の取得を強制するような事態になれば、一日単位での休暇が取りにくくなるなどの副作用が出る可能性もある。本当は丸一日休みたい社員に対し、数時間の休みを何回かに分けて取るよう会社側が誘導するといったことが考えられるためだ。厚労省は時間単位の取得に上限を設けることなども検討する。
 国家公務員は一日単位だけでなく時間ごとの有給休暇取得も可能。…
(平成17年11月14日付日本経済新聞朝刊から)

記事にもありますが、すでに公務員では時間単位の取得が可能になっています。で、どういう使われ方をしているかというと、寝坊や二日酔いの救済のために使われている(始業から1〜2時間の有給休暇)とか、「ちょっと抜け出して理髪店にでも」といったときに便利に利用されているとかいうウワサはよく耳にします。
あまり便利に使われすぎても職場としては困ることもあるでしょうが、それにしてもわが国では年次有給休暇の取得が不十分なことは間違いないわけで、取得しやすくするための手立てとしては有益なのだろうと思います。
「本当は丸一日休みたい社員に対し」云々はいささか心配しすぎのような気はします。むしろ、これまで「どうしても」という用事があれば丸一日休んでいた人が、どうしても必要な時間だけ休むことにして残りは出勤する、という方向に働くことを心配したほうがいいのかもしれません(これだと取得率は逆に下がる方向に働きますし)。普通に考えれば少しでも出勤すれば通勤時間は普通と同じだけかかるわけで、時間の使い方としては無駄なわけですが、それでも「やはり会社に顔を出しておきたい」と考える人も多そうな予感もこれあり。本人としてはそれが気持ちいいんだからいいじゃないか、ということにはなるのかもしれませんが…。
まあ、使い方の選択肢が広がることは、基本的にはいいことなんでしょうが。