新雇用対策その2

きのうのエントリのフォローです。新雇用対策の具体的内容が報じられています。

 政府・与党が検討している新雇用対策の素案が三日、明らかになった。非正規雇用者や中高年齢者を一時的に雇用する緊急雇用創出事業(仮称)、母子家庭を支給対象とした中小企業向けの特定求職者雇用開発助成金の支給額拡充などが柱で、事業規模は三年で一兆円程度を想定。雇用保険料を積み立てている労働保険特別会計を財源に充てる。
 緊急雇用創出事業は都道府県への交付金基金を創設し、地方自治体が運用する。失業した非正規労働者や中高年齢者を対象に一時的な雇用機会を設ける狙い。与党は短期と長期の雇用創出メニューを並べ、十月末の追加経済対策で目標とした六十万人に、新たに四十万人を上積みして「百万人雇用」を創出する。
 雇用保険を使った雇用の安全網も拡充する。契約更新されなかった非正規労働者は、現状では離職日前二年間に保険に入っている期間が十二カ月ないと失業給付を受けられない。対策ではこの期間を短縮するほか、雇用保険の加入条件である「一年以上の雇用見込み」の「半年程度」への緩和も検討する。
 採用内定の取り消しに関しては、悪質な企業名を公表する案を検討していたが、これまで厚生労働省が把握した企業については悪質さは認定できなかった。ただ雇用情勢の悪化は続いており、これから内定を取り消す企業は厳しく監視する方向を明記する。
(平成20年12月4日付日本経済新聞朝刊から)

へぇ、計算式はインチキでしたが、結果としては総額1兆円、財源は「埋蔵金」と、まぐれ当たりになりましたか。LOTOでも買ってみようかな(笑)。
「失業した非正規労働者や中高年齢者を対象に一時的な雇用機会を設ける」というのも、基本的には正しい方向のような気がします。こうした環境下では長期雇用の機会を増やすのは難しいでしょうし、非正規労働者の中には正規雇用を望む人のほか、非正規での就労を希望する人も相当数いるでしょうから、こうした人に対しては景気が回復して非正規雇用の需要がまた増加するまでの間のつなぎとして一時的な雇用機会を提供するのが適当に思われるからです。中高年齢者も、中年はともかく高年齢者は長期的な雇用機会の必要性はそれほど高くないでしょう。
雇用保険についてはきのうの記事にあった加入条件の緩和のほか、給付要件の加入期間短縮も検討するようです。保険である以上は保険料負担と保険給付との関係に一定の整合性は必要なので、極端に短縮するのはいかがなものかとも思いますが、こちらも6ヶ月程度に短縮して給付額もそれに応じたものとするといった見直しは検討に値するように思われます。