川喜多喬『組織改革論集・労働組合編』

川喜多喬先生から、最近著『組織改革論集・労働組合編』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

組織改革論集 労働組合編

組織改革論集 労働組合編

1991年に今はなき総合労働研究所(いや労働開発研究会は残っていますが)から刊行された川喜多喬佐藤博樹『ユニオン・アイデンティティ大作戦−労働組合改造講座』は、当時労働者の意識の変化、組織率の低下などを背景に、労働運動の自己改革に取り組む活動家に広く読まれた本でした(そして川喜多節全開な本でもあります)。その当時の川喜多先生の労働組合に関する論考や講演などをまとめた本で、1987年から2001年までの業績が集められています。一貫して現場、個別組合員を重視する立場に立ち、したがって議論の対象もほとんどが単組です。当時のユニオン・アイデンティティ運動を中心とした労働運動の資料としても貴重なものといえそうです。
以来20年、労働運動は改革に成功したとみるか旧態依然とみるか、見る人の見方によっていろいろでしょうが、私は単組は(当然バラツキはありますが)かなりよくやっているのではないかと思います。産別もまあ、頑張っているところは頑張っているのではないでしょうか。連合は残念ながら、依然として「連合評価委員会」のような教条的な位置にとどまっているようですが…。
電子書籍版も刊行されています。
http://www.amazon.co.jp/%E7%B5%84%E7%B9%94%E6%94%B9%E9%9D%A9%E8%AB%96%E9%9B%86%E3%83%BB%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%B5%84%E5%90%88%E7%B7%A8-%E5%B7%9D%E5%96%9C%E5%A4%9A%E5%96%AC/dp/4990770315/ref=sr_1_cc_2?s=aps&ie=UTF8&qid=1408785479&sr=1-2-catcorr&keywords=%E5%B7%9D%E5%96%9C%E5%A4%9A%E5%96%AC
ユニオン・アイデンティティ大作戦 (労働組合改造講座)

ユニオン・アイデンティティ大作戦 (労働組合改造講座)

この本を文庫で再刊する奇特な出版社はないものでしょうか。今なお読まれる価値のある本だと思うのですが。