経産相、経団連に賃上げを要請

月曜日のエントリのフォローですが、きのうの日経夕刊によれば二階経産相がじきじきに経団連に対して賃上げを要請したそうです。なるほど、ここは二階氏の肝煎りで織り込まれたのでしょうか。だとすればなんとなく納得はしますが…。

 二階俊博経済産業相は十日朝、東京都内のホテルで日本経団連との懇談会を開いた。二階経産相は家計の購買力を上昇させるための賃上げを要請した。経団連御手洗冨士夫会長は「重く受け止めている。経済界としても努力する必要がある」と述べた。経産相経団連側に賃上げを直接要請するのは珍しい。
 二階経産相は九日にまとめたばかりの「新経済成長戦略」について説明。成長戦略などにも盛り込まれた「大企業への賃上げ要求」について経団連側に理解を求めた。経団連側は国際租税制度など税制の改正を要望。賃上げについて、御手洗会長は「来年の春闘で対応できる努力はしていきたい」と応じた。
(平成20年9月10日付日本経済新聞夕刊から)

近年、IMF−JCの賃上げに中小がついていけない傾向が鮮明になっており、連合も「中小春闘」に熱心に取り組んでいますが、そうした中で大企業が賃上げするとますます規模間格差が拡大してしまうのではないか?などと余計な心配をしてしまいますが…。
もっとも、先般の「緊急総合対策」では、原材料価格の高騰を織り込んだ「新価格体系」への移行も主張されており、ということは大企業は値上げをして賃上げをして、それによって下請けの納入価格が上がって中小も賃上げできる、というシナリオなのかもしれません。賃上げ分をさらに値上げすれば、購買力は結局改善しませんし、物価が上がれば金利も上がり、経営が厳しい中小企業にしてみれば、納入価格が上がっても賃上げはできない、というケースも多いような気がしますが…。どうなるのでしょうか。