低金利で貯金が減るって?

きのうの中日新聞夕刊に、日銀総裁候補の所信聴取に対する鳩山由紀夫民主党幹事長の談話が掲載されていました。

 民主党鳩山由紀夫幹事長は十一日午前、都内で記者団に、日銀総裁候補の武藤敏郎副総裁が衆院議院運営委員会で行った所信表明の冒頭部分について「予想の範囲内だ。予想外ということは何もないのではないか」と述べた。
 鳩山氏は「武藤氏は今までの日本(経済)のかじ取りに肯定的なのではないか。日銀の買っている国債残高は第二次世界大戦末期を超える異常事態が生じ、超低金利を招いてお年寄りの貯金が減っている。どんな反省があるのか」と指摘した。
(平成20年3月11日付中日新聞夕刊から)

鳩山さん、いくら金利が低くても貯金は減りませんよ。そりゃマイナス金利になれば減りますが、そんなことは起きていないわけで。
あるいは、生活費を取り崩すから差し引きで減っているというつもりかもしれませんが、老後の生活費を取り崩してもなお貯金が増えるべきだというのも、それはそれでちょっと…。
鳩山氏は「私たちは政争の具にするつもりはない」と発言しているようですが(平成20年3月12日付読売新聞朝刊)、しかしこんな発言が出るのでは「政争の具」にしているのが見え見えのような気がするのですが。民主党ポピュリズム政党化はちょっとヤバイ領域に入っているという感じがします。自民党ポピュリズムという点では(内容は違っても)同じようなものかもしれませんが。
ちなみに、きのうのNHKラジオのニュースでもこの発言は報じられていましたので、記者が間違えたという話ではないように思われます。もっとも、他紙をざっと見た限り、この発言を報じているのは中日のこの記事だけのようですが…。