中国で「同一労働同一賃金」

中国情報局のサイトで発見しました。

 中国国家労働・社会保障部労働賃金担当の邱小平司長は17日、労働保障部と関係部門が「同一労働同一賃金」を企業に義務付ける「賃金法」案の起草に向け研究を始めたことを明らかにした。
 中国の企業では最近数年で、「同一労働」でも賃金格差が深刻化しており、正社員と臨時工では同一労働で最少5倍の格差がある場合もある。また、新卒労働者の収入が、職歴5−10年の労働者よりも多いこともあり、労働者からは「同一労働同一賃金」を求める声が高まっていた。
 邱司長は、「政府は、計画経済時代のように、政府が企業の賃金レベルや賃金の伸び幅にまで直接口出しはできない。賃金に関して具体的に規定する権利はなく、企業の労働者の賃金水準を直接決めることはできない。法律や行政手段で、企業に対する賃金分配の調節や監督を行い、最低賃金水準を守らない場合は処罰する」と話した。(編集担当:巖本雅子)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0718&f=business_0718_005.shtml

「最少5倍」は「最大5倍」かな、という気もしますが、一応元のままにしておきます。正社員と臨時工が「同一労働」というのは日本では考えられませんが、流動性が高く定型業務が多いとすればそういうこともありうるかもしれません。このあたりは中国の状況がどうなのか、にわかにはわかりません。
それはそれとして、労働市場が売り手市場になれば賃金相場も上がって、買い手市場の頃に採用された人より高くなるというのは十分ありうることでしょう。で、通常はその場合、もっと高い賃金の企業に転職することで逆転が解消されるわけで、企業もそれは困るとなれば既存の従業員についても賃金を引き上げるでしょう。それで「同一労働同一賃金」となるというのが市場経済の理屈のはずで、実際記事にあるように中国当局も公定価格をやるつもりはないようですが、とはいえ相当企業の賃金決定に手を突っ込もうとしているようです。さてさて、どれほどうまくいきますか。まだ検討段階ということのようなので、どんなものが出てくるか興味深いところです。