大阪のタクシー 値上げできずネを上げる!?

きのうの産経新聞、大阪版の夕刊から。産経さんのこの見出し、なかなか秀抜ですね。さすが大阪。

 全国各地でタクシー運賃の値上げ申請が相次ぐなか、値上げを見合わせている全国有数の激戦区・大阪の対応が、近畿各府県に影響を及ぼしている。全国では半数以上の営業区域が値上げを申請しているが、近畿では和歌山市などの2地区だけ。燃料費の高騰などで値上げしたいのが本音だが、業界側は「客離れにつながる」「大阪から安いタクシーが流入する」と懸念。大阪の動向を見極めざるを得ない状況だという。
 運賃引き上げの申請は、原油価格の高止まりによる液化石油ガス(LPG)費の上昇や乗務員の賃金改善などが背景にあるとされ、大分、長野両県で4月に10年ぶりの値上げが認められた。

 大阪では初乗り運賃を660〜590円と設定しているが、初乗りワンコイン(500円)のタクシーが登場し、長距離運賃を割り引くなど値下げ競争が激化。その中で燃料費高騰などが経営を圧迫するが、「値上げをすれば楽だが、お客さまが離れる」と近鉄タクシー大阪市天王寺区)の担当者。同様に考える会社は多く、値上げ申請はしない方針だ。
 この影響は、近畿各府県にも及ぶ。兵庫県タクシー協会は、昨年10月に神戸・阪神地区のタクシー会社を対象に運賃値上げのアンケートを実施したが、賛成は6割未満。「大阪の安い運賃のタクシー流入を考えると、値上げしても増収にはつながらない。見極めが難しい」と申請を見合わせている。
 関西経済に詳しい関西大学大学院会計研究科の宮本勝浩教授は「大阪はそこそこ需要はあるが、供給が圧倒的に多い。時間をかけてタクシー台数が減るよう、市場にまかせるしかない。値上げをすれば、売り上げの減少や運転手の賃金悪化につながる可能性があり、タクシーを利用せざるを得ない高齢者や身体障害者が一番困る」と話している。
(平成19年5月21日付産経新聞(大阪)から)

そういえば先日福岡に出張してタクシーを利用したときにも、燃料費の高騰と乗客減で乗務員の生活が成り立たないとして、値上げに理解を求めるチラシが置かれていました。とりあえず、参入規制の夢よもう一度、というのはギブアップしたようですが…。