初任給は満額回答

昨日の日経新聞によると、電機各社は初任給を1500円引き上げるそうです。

 日立製作所松下電器産業東芝など電機大手は今年四月に入社する大卒社員の初任給を月額千五百円引き上げて二十万三千五百円とする方針を固めた。初任給を上げるのは二年連続で、昨年実績より五百円増える。すでに在籍している社員の賃上げ額は各社の業績によって差がつく公算が大きくなっているが、新卒者の激しい争奪戦を背景に初任給はそろって上積みされる。
 三菱電機、NEC、富士通などを含む電機大手の組合側は今春の労使交渉で、大卒初任給の千五百円引き上げを要求。経営側は満額で回答することになる。電機大手は昨年、ほぼ五年ぶりに初任給を増やしたが、組合側の千五百円の要求に対し実施額は千円だった。
 高卒社員についても組合側の要求に満額で応え、一斉に千円引き上げて十五万六千円とする方向だ。昨年実績の五百円から上げ幅が倍増する。
 電機各社の労使交渉は月額二千円賃上げの統一要求に対し、回答が五百―千円の間でばらつく見通し。三菱電機は千円を回答する方針を固め、松下やシャープも千円を視野に交渉している。半面、業績不振の日立などは五百円からの大幅な上積みは難しい情勢。経営側は「電機各社で業績や事業内容は大きく違う。統一回答は間尺に合わない」(松下の福島伸一常務)と主張している。
(平成19年3月11日付日本経済新聞朝刊から)

昨年1,000円、今年1,500円ですから、2年で2,500円ということになります。それに対し、賃上げ回答のほうは、報道どおりになるとすると昨年500円、今年500円で2年で1,000円。
電機各労組は賃上げについては30歳または35歳のポイント賃金で要求していて、要求は昨年も今年も賃上げが2,000円、初任給が1,500円なので、より賃金の高い30歳または35歳のほうが初任給より多いということで話はあっていますが、回答のほうはといえば、30歳または35歳は2年で1,000円しか上げないけれど、初任給は2年で2,500円上げるということで、大きく逆転しています。
まあ、電機の大卒30歳のポイントが約300,000円、これに対して初任給は引き上げ後で203,500円なので、その差が少し詰まる(年功度が低下するとみることもできる)というだけのことなのでしょうが、それにしても賃金プロファイルが妙な形になってしまわないのだろうか、などと余計な心配をしてしまうのでした。