連合の決起集会

連合がこの週末に中央総決起集会を開催したそうです。このほか、各地方連合でもそれぞれ決起集会が行われているようです。

 連合は3日、東京・渋谷区の代々木公園で、春闘の中央総決起集会を開いた。連合は「昨年を上回る賃金改善」を目指しており、高木剛会長はあいさつの中で「経営者に前向きな対応を強く求めたい」と強調した。
 高木会長は今春闘の労使交渉について、「大変厳しいという報告が多く寄せられている」と指摘。「労働者への配分を是正しようという考え方がなぜないのか」と経営側を批判した。
 高木会長は企業業績の好調さを踏まえ、「安倍晋三首相でさえ家計への配分を増やすべきだと言っている。首相の発言は(企業が生み出す付加価値の)現在の配分状況がどんなデータからもおかしいということを裏付けている」と述べ、賃上げの必要性を訴えた。
(平成19年3月4日付産経新聞朝刊から)

うーん、「安倍晋三首相『でさえ』」ですか(笑)。首相もたまにはいいこと言うね、というところでしょうか。さらに「首相の発言は…現在の配分状況がどんなデータからもおかしいということを裏付けている」ときたもんだ。首相の発言が裏付けなんですね、首相がおかしいと言ったからおかしいのだと。えらく信頼されたものだ、首相も。いや違うか、「どんなデータからも」ということだから、高木氏が言わんとしているのは、首相は「配分状況がおかしい」ことを否定できるデータが一つでもあればそれを使って「配分状況はおかしくない」と言うはずだ、そう言えなかったということは、おかしいことを否定できるデータはひとつもなかった、すなわち「どんなデータからもおかしいということを裏付けている」ということでしょうか(我ながらすごい理屈だ)。これはこれでずいぶんな言い分です。まあ、当然ながらこういう場での演説はアジテーション的にならざるを得ないわけで(悪いというつもりはまったくありません)、多少の誇張やレトリックはあるでしょうが、首相もさぞかし苦笑しているでしょう(でもないかな。首相としても賃上げはしてほしいでしょうし)。
それはそれとして、この中央決起集会は、ざっと見たところ毎日、日経、産経の各紙では報じられていましたが、読売、朝日では報じられていないようです(私の地元では、読売の地方版で、知事選がらみで、三重県の野呂知事が連合三重の総決起集会に出た、という報道はされていましたが)。私が見落としているだけかもしれませんが、ちょっと寂しい話です。