柳沢厚労相その2

昨日の続きで、資料説明のあとの議論のやりとりでの柳沢厚労相の発言から。

(八代議員)…長期雇用はよい慣行というのは全くそのとおり。ただ、国が規制しなければ、企業はあえて長期的視野に立った人的資本の蓄積をしないということはない。そういう規制は企業のためからは必要ないはずであり、あくまでも労使の自治によって終身雇用、年功制を決めればいいのではないか。
(柳澤臨時議員)たくさん問題点をいただいたが、基本的な点だけ述べると、長期雇用については規制しているわけではない。長期雇用は、今までの長い日本の労使の間ででき上がった単なる慣行である。少し誤解があるようなので申し上げておきたい。…

えーと、たしかに長期雇用せよという規制はされていませんが、八代先生が言っているのは解雇規制の話でしょう。で、これはたしかに長らく判例法理で、法律上は解雇予告すれば解雇できることになっていましたので、たしかに行政が規制をしているわけではなかったわけですが、先般の労基法改正の際に解雇権濫用法理が明文化されましたので、現在では行政として規制しているということになるのではないでしょうか。長期雇用はたしかに慣行ですが、解雇規制はもはや行政による規制です。誤解があるのは柳沢大臣のほうではないでしょうか。