Think-Tax

連合が「think-tax.jpキャンペーン」というのを展開しているのだそうです。昨年6月に政府税調がとりまとめた「論点整理」、いわゆる「サラリーマン増税」への反対運動の一環で、「増税について考えませんか」という特設サイトを6月末まで運営するのだとか。
http://think-tax.jp/
年収額や家族の人数などを入力すると、愛らしいアニメーションと音楽とともに増税額が計算され、その所得比を示す「ズシリチャート」が表示されます。そこに自分のコメントを記入できるというなかなかのスグレモノ。ニュースなどでは報じられているものの、具体的な内容や自分への影響などは知らない人も多いでしょうから、啓発のためには有意義な取り組みかもしれません。


たしかに、財政の現状をみれば増税が避けられないことはわかります。定率減税は逆進性が強いという問題がありますし、サラリーマンの給与所得控除もたしかにかなりの高額ではありますし、配偶者控除に専業主婦優遇批判があることも理解できるのですが、それにしてもサラリーマン増税は「取れるところから取る」姿勢の強化であり、所得捕捉問題をさらに拡大します。
やはり財源の確保は、所得捕捉問題のない消費税で行われるべきではないかと思います。もちろん、消費税には逆進性があるとの指摘がありますから、それへの対策は必要でしょう。税率アップとセットで、年末に一人当たり一定額を還付する「逆人頭税」を導入して逆進性を緩和することなどは検討されてもいいのではないかと思います。さらに、以前もhttp://d.hatena.ne.jp/roumuya/20051117でご紹介しましたが、「実は消費税は逆進的ではなく、むしろ累進的」との指摘もあるのです。
連合は消費税増税にも反対、行政改革(公務員の削減や労働条件見直し)にも反対という立場のようですが、それでは財政が立ち行かないことが明々白々です。サラリーマン増税阻止のためには消費税増税は避けがたく、現実的な検討が必要ではないでしょうか。加えて、資産課税や相続税の強化も「連合らしい」観点として、大いに主張してみてはどうでしょうか。