情報源秘匿

先日、東京地裁で「守秘義務違反の疑いがある場合は、公務員の情報源秘匿は許されない」という判決が出て、マスコミ各社は「それでは官庁の公表資料以上の取材ができなくなる」と猛反発しました。まあ、商売あがったりになるマスコミとしては反発するのは当然でしょうし(それにしても、右も左も各社歩調を合わせて大々的に叩いたのはちょっと笑えましたが)、私もあの判決はいくらなんでもいかがなものかと思いますが、それにしてもマスコミに大いに同情するという気分にもなれません。

 読売巨人軍渡辺恒雄前オーナー(現球団会長)の辞任をめぐる週刊文春の記事で名誉を傷つけられたとして、読売新聞グループ本社内山斉社長が発行元の文芸春秋(東京)と編集長に総額六千万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁20日、300万円の支払いを命じた。
 判決理由で金井康雄裁判長は「記事は真実ではない。フリー記者の伝聞情報にすぎないのに特段の裏付け取材をしておらず、真実と信じる相当の理由もなかった」と述べた。
 読売新聞東京本社広報部の話 週刊文春が裏付け取材もなく真実でない記事を掲載したと認定した妥当な判決と考える。
 文芸春秋社長室の話 情報源秘匿のために真実性が認められなかったことは残念だ。

今のマスコミの実情をみると、情報源秘匿をいいことに、いいかげんな取材でインチキな記事を書いているんじゃないかという疑念を感じざるを得ないように思います。「フリー記者の伝聞情報」って、なんか「永田偽メール」を彷彿とさせますよね。