コメントへのリプライその2

先週末の続きです。
まずは18日のmanchinpapaさん、Poirotさんのコメントです。

# manchinpapa 『そういう 経営者が多いのが中小企業の現実ではないでしょうか。
私の会社でも、積極的に有給休暇消化はいわないし、休めば現場のメンバーが困るような状況にして、お互いにけん制しあうようにしている。』

# Poirot 『はじめまして。ワタシも上の方と同様になかなか有給が取れない会社にいました。弔休も含めて休みを取ろうとすれば現場で「裏切り者」呼ばわり。数年で約10名の新卒者が入社しましたが、一人も居着きませんでした。大企業より数的により多くの学生が入社する中小企業の待遇(もちろんこれが全てとは思いません)が似たような状態では、新入社員がすぐに辞めてしまうのは無理からぬことかと思います。』

年次有給休暇については、私はごくごく大雑把に2種類の整理ができると思っておりまして、ひとつは18日のエントリのような、とにかく年次有給休暇を感情的に認めない経営者がいる企業で、これはまあ単純なアホです。
もう一つはちょっと面倒で、誤解を恐れずに単純化すれば、「経営上容認できる人件費総額について、現金給与で支払うか、休暇で支払うか」という選択の結果(なんかこれもうまく説明できていないが)、ということです。要するに(要してないが)年次有給休暇を取得しないから今の賃金水準があるのであって、取得するならその分賃金も低くなるだろうということです。これは実務家にはきわめて容易に納得していただけるのですが、そうでない人(とりわけ浮世離れした評論家とか)にはなかなかご理解いただけない(というか、ハナから許容されない)話です。
で、これの問題点は、「休暇でなく賃金」(逆でも同じことですが)という考え方を全員に適用せざるを得ないことが多い、ということではないかと思います。ということは、年次有給休暇を買い上げる制度というのは、これを解決するにはかなり有効だ、ということになります。とはいえ、行政としては「とにかく休ませることが大事」ということですから、それは簡単には容認できないでしょう。
そこで代償休日の出番になります。私の意見としては、一定以上の時間外労働についてノーペイの代償休日を義務付けるときに、年次有給休暇の取得をもって代償休日に替えることができる、という制度にするのがいいのではないかと思います。これならば、働く人は事実上(もちろん建前は違いますが)125%の割増賃金を得ることができますし、企業としてもしょせんは付与した休日なので腹はたたないはずで、それでいて休日はきちんと確保できる。実務的にはおおいに考えられる施策だと思いますが、建前にこだわる行政、さらにはもっと建前にこだわる周辺がいることを考えるとなかなか実現可能性はないのでしょうねぇ(個別労使ではこういう考え方を取り入れているところはあるのではないかと思うのですが)。
続いて19日の若手官僚さんのコメントです。

# 若手官僚 『自治体で一番よく行われている悪質な組合とのもたれ合いは、
調整手当のかさ上げです。調整手当という物価調整、生計見合い的な手当があります。国家公務員の全国転勤を考え、東京23区なら12%、横浜名古屋京都大阪10%、千葉福岡6%とか設定されています。
ところが、例えば千葉市は条例で10%、浦安市川などの周辺地も軒並み10%
で設定しているんですよねー。これはラスパイレスにも反映されないのです。
月額給料に超勤、家族手当、ボーナスに全部かかりますから、千葉市職員なら
年平均4%、30万円くらいは泥棒しているはずですね。
こういうマニアックな仕組みで住民をだます?のは公務員の悪いところです。(自戒を込めて…法令でも抜け穴作りは多いので。)』

結局ラスパイレスでしかチェックされてきませんでしたからね。近年、100を下回ったと言ってはいますが、ご指摘(内部告発?)のような手法で見かけの数字を下げているという実態があるのかもしれません。
今年初めのエントリでも医師の僻地・離島勤務にからめて書きましたが、全国転勤する国家公務員についてすべて現地物価ベースの生計費で増減するのがいいかどうかは私はちょっと疑問に思っているのですが、地方公務員はその土地の物価をベースに考えるべきで、事実上民間準拠でなく国家公務員準拠ベース(に若手官僚さんご指摘の手当等々が乗る)になっているらしい地方公務員の給与については見直しの余地が大きいような印象を持っています。