労働契約法制

けさの日経「経済教室」に、わが国労働法学の最高権威と目される菅野和夫氏が、労働契約法制の必要性を訴える論考が掲載されています。先週金曜日には小嶌典明氏のホワイトカラー・エグゼンプション制導入を求める論考が掲載されたばかりで、これだけの頻度で「経済教室」に労働法マターが掲載されるのも珍しいことだろうと思います。


さて、この2つの論考、実はセットで考えるべきなのではないかと思います。実際、本日の論考でも言及のある、菅野氏が座長を務めた「労働契約法制の在り方に関する研究会」の「中間とりまとめ」でも、「多様な働き方を可能とする労働時間法制」に言及されており、そうした法制が導入されることでより一層労働契約法制の必要性が高まる、とされているからです。
これは非常に幅広く多岐にわたる論点を含んでおり、近日中に「労働雑感」を書きたいと思っています。これは経済界や一般的な人事労務担当者の見解とは異なるかもしれませんが、私個人としては労働契約法制の必要制については決して否定的ではありません。むしろ、こうした基本的なルールはそれなりに法定されるのがあるべき姿だという考えもあります。ただ、単に現状のまま法律をつくるだけでは無意味だし、矛盾があるのではないかという気がしています。
これはかなり重要な問題にもかかわらず、世間ではあまり議論になっていません。小嶌氏の論考とセットで、世論の喚起につながることを期待したいと思います。