配当連動賞与

たびたび書いていますが、昨今の賃金問題の大きなポイントの一つは「投資家重視」、要するに資本家と労働者の間の分配という古典的な問題なんじゃないかと思うのですが。

 エンジニアリング大手の千代田化工建設は…一九九〇年代後半に経営危機に陥り、社員数はピークの三分の一の千百人。仕事量が増えたのに賃金水準は業界平均より低い。現場の不満は限界に達しつつある。
 経営陣は「現場のやる気を引き出し、中途採用の確保にもつなげたい」(柴田博至専務)が、固定費の増加につながるベースアップ(ベア)には慎重。そこで一計を案じた。最低保障の基礎額を設けたうえで、上乗せ金額が配当に連動するボーナス算定方式を早ければ今年末の支給分から導入。ボーナス上積みで社員に利益を還元すると同時に、原資を変動できる仕組みを取り入れる。
「賃金利益配分の行方(上)家計に回るか好業績」
平成17年2月9日付日経新聞朝刊

分配という意味で本質的なのは連動の比率でしょうが、少なくとも配当と賞与を連動させるという考え方は、資本家と労働者のバランスを取るという意味でなかなか面白い着想ではないでしょうか。