大竹文雄『競争社会の歩き方』

大竹文雄先生から、最近著『競争社会の歩き方−自分の「強み」を見つけるには』をご恵投いただきました。ありがとうございます。

この本もまた社会のさまざまな事柄を経済学で読み解く大竹式エッセイをまとめたもので、今回は書名にあるとおり「競争」を基軸として整理されています。副題にもあるように「人は競争を通じてこそ自分の「強み」を発見できる」という経済学のメッセージが、豊富な話題を通じて説得力豊かに訴えられています。
熱心な大竹ファンである私としては産政研フォーラム「社会を見る眼」や東洋経済「経済を見る眼」、あるいは日経センターのウェブサイトの「大竹文雄の経済脳を鍛える」や”オイコノミア”などですでに読んだり見たりした話題が多かった(最近話題の神社仏閣の話はまだ掲載されませんでしたが)のではありましたが、しかしこうしてまとめて読むと改めて勉強になりました。このブログでも以前ご紹介した(http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20130908#p1)「隠れたカリキュラムが経済的・社会的選好と所得に与える影響」も紹介されていて、運動会で徒競走をやらないとかやっても順位をつけないとかいった反競争的な教育は、かえって利他性が低く、協力に否定的、再分配にも否定的な傾向をもたらすという、おそらくは意図したのとは逆の結果につながっているという調査結果が示されています。この部分の挿絵はなかなか秀逸で、「オビ」の絵にもなっています。

  • 愛知県の本社にお送りいただき、社内転送に時間がかかったのでお礼が遅くなってしまいました。申し訳ありませんでした。