連合総研『「労働組合による異議申し立て行動の実態」についての調査報告書』

中村圭介先生から(だと思う)、21世紀の日本の労働組合活動に関する調査研究委員会III『「労働組合による異議申し立て行動の実態」についての調査報告書』をご恵投いただきました。ありがとうございます。
(まだ連合総研のウェブサイトには掲載されていまいようです)
ストライキ突入、あるいは突入寸前といった「実力行使」によって経営サイドに「異議申し立て」を行って成果をあげた10事例のヒヤリング調査をまとめたものです。どれにもドラマがありますが、なかでも注目は厚生労働省に研究会までできた東急観光のケースでしょう。労組はもちろんですが、買収した外資系ファンドの意をうけざるを得ない経営サイドの必死さが印象的です。
全体をとおして、やはり上部団体、とくにゼンセン同盟の存在感が目立ちます。あと、結局ここまで話がこじれるというのは経営サイドにも相当問題がある、まあ外資のいいなりは別格としても、乱脈経営や情実経営などの問題があるケースが大半のように思いました。やはりハナからなんでも戦うというのではなく、相手なりにやるというのが大切なのでしょう。あと、これはそれなりの成果をあげた事例をヒヤリングしているのですが、結局成果に結びつかぬままついえた活動というのも多々あるのだろうなあとも思いました。